『THE ROOTS』の『Things Fall Apart』を大音量で聴いている。
早急に貼り替えが必要なビリビリに破れた網戸では意味がない。
この時期なら蚊も入ってこないだろうと云うことで、両窓を全開にしていると心地良い風が微かに入ってきて足元を通り過ぎていく。
『THE ROOTS』はこのアルバムしか持っていない。
他の新しいアルバムも何枚か聴いたが別物になってしまっていた。
これもまた約二十五年くらい前に売れたアルバムである。
これを聴くとまさに十代の頃を想い出す。
私の十代なんてクソみたいな時代だった。
どんな風にクソだったのかについては、色々カミングアウトしなければならないので新作の本に書こうと思っている。
十月発売予定なので、楽しみにして頂ければ幸いである。
今回は何かと大掛かりな仕事になりそうだ。
ある程度の取材も必要になるだろう。
参考図書を読むことも大事だ。
焦っているわけではないが、呑気にしている場合でもない。
二月中に構想をある程度練って、三月に入ったら執筆を開始する。
発売後には、発売記念イベントのようなことも考えている。
何はともあれ、先ずは作品を一つ一つ仕上げていくことだ。
春から夏にかけて、二階にある私の部屋は強烈な西日が入ってきてかなり暑くなる。
禁煙室なのでいちいち台所まで煙草を吸いに行かなければならないのだが、それを除けばたった一人の空間と云うものは快適である。
調子の悪いデスクトップパソコンだが、執筆の時はそれを使おうと思っている。
あまりにもモニターがデカいので目がチカチカするが、やはり執筆はリビングでブログを書くのとは違う。
自室に籠り集中する必要がある。
本当ならば私も一切の誘惑を断ってパソコンだけを持ってどこかに籠りたいくらいだが、経費も掛かるし大作家先生みたいな真似はやってられない。
このパソコンとこの部屋があれば十分だ。
執筆の時は酒は要らない。
支離滅裂の文章になってしまいそうだからだ。
とにかく忙しくなりそうだ。
ところで新作は、絶望の先にある希望を描こうと思っているのだが、ベースにロックが流れているような作品にしたい。
私は新作の構想を練り始めると頭の中がそれでいっぱいになってしまって、新作の話ばかり毎日毎日ブログに書いてしまう悪い癖がある。
今回はそんな風にはならないように、今日書いたらしばらくは書かない。
新作は、いっそのことタイトルを『ロックンロール』にしてしまおうと思っているくらいだ。
とある人が言っていた。
「作家に必要なのは、技術より勇気」
そのお言葉を戴いてから、ずっとずっと頭の中にある。
そうか、勇気か。
だとしたら今まで「敢えて」人に言ったりしなかったことを本の中で暴露するって云うのも面白くなりそうだぞ、と思った。
モゾモゾしながらカミングアウトするのではなく、堂々と涼しい顔して「公開」してやろうかなと。
あたかも普通のことのように、当たり前かのように。
私にはこんな過去も、あんな過去もある。
それらを武器にしてプレッシャーを楽しむ。
勿論、クオリティは落としてはならない。
そのためには、相当な勉強が必要だ。
それより大切なことは、辻褄を合わせる事だ。
そして、長ったらしい描写を使わないこと。
肝心なところに限って、あっさり書いてしまうこと。
そうすることでグロテスクさは消えるだろう。
読者の中には、性描写を書いてくださいみたいな人がいるけれど、それをしてしまうことに依って離れて行ってしまう読者がいることもわかっている。
その辺は匙加減なのだと思う。
タイトルを『ロックンロール』にしたとしても、キザにするつもりもないし、あくまでも私は個人で生きるものの味方であることに変わりはない。
本来ロックって云うのは皆のロックではなく、極めて個人的なものだと思っている。
その辺の私なりの考え方みたいなものも織り交ぜられればいいと思っている。