nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

ナメてんじゃねぇぞ!!

自室で詩集のレイアウト変更作業をしていたら、突如電話が鳴った。

派遣会社からで、今から事務所に来て貰えないでしょうか?と訊かれたので仕方なくボサボサ頭に帽子を被って南越谷まで行ってきた。

登録会でも、電話でも、何度も何度も訊かれたことを繰り返し訊いてきたので腹が立って若干強気に攻めた。

週三日で土日休みで、残業はしたくないと言ってやった。

勿論、頭の中には徒歩二分のスーパーの方がいいだろうと云うのがあったからだ。

私を雇えるもんなら雇ってみろ!と言わんばかりの姿勢で相手を黙らせてやった。

更に、近所のスーパーの面接が金曜日あるということも伝えた。

恐らくその時点で既に不採用は確定したようなものだ。

しかし、深く考えてもスーパーの早朝清掃は好条件だ。

一日短時間なら毎日通ってもいいくらいだ。

午前中に予定が入ることはまず無い。

チリも積もれば山となるで、小遣いくらいにはなるし、節約すれば貯蓄もできるだろう。

私としてはコツコツ貯めて行く方が性に合っている。

何としてでも『ロックンローラー』を完成させることが先決だ。

これでスーパーの清掃バイト、落ちたら笑えるけどね!

 

そもそも、今から出て来い的な物言いは失礼極まりないと思わないだろうか?

職探しをしている者は、仕事が決まるまでは暇人だと思い込んでいるところが気に入らない。

家でボーっと生きているとでも思っているのだろうか。
いちいち派遣会社に副業希望など伝えたら、相手にされないのがわかっているから黙っていただけで、私にはやることが山ほどあるんだっつーの。

だから言ってやった。

 

「勉強しなければならないんです!」

「。。。え~と、それは何の勉強ですか?」

「文学と哲学です」

「。。。。。。あ、そうなんですね」

「勉強会があるので土日は出られないんです。平日もそれに向けた勉強をしなければなりません。だから週三日以上は出られません」

「あの。。。週三日も出て、勉強との両立はできるのでしょうか?」

 

おっと、段々話が分かってきたようだ。

 

「一日八時間労働は大きな負担になるので、もう一件面接をお願いしている職場が決まればそちらへ行きます」

「条件としては、一日短時間の方がいいですよね。。。」

 

ていうか、この話、電話で良くね?

交通費も出さないのにわざわざ当日に呼び出して、電話で済む内容の会話をさせられて私が怒らないわけがない。

況してや土日は出られないとか、短時間希望とか、何度も何度も電話で担当者に説明している。

非正規労働者は見下されると云うのは慣れっこだったつもりだが、仕事を斡旋する側は、仕事を紹介してもらう側に対してここまで上から目線になれるものかと感心した。

派遣会社など、働いてくれる優秀な労働者がいない限り成り立たないじゃないか。

それとも、派遣会社からもなかなか紹介してもらえない理由は私にあると云うのだろうか。

 

「工場見学、一応してみますか?」

 

私は思いの丈をぶちまけてとっとと帰ろうかと思ったのだが、採用されなくてもいいから工場の中に入ってみたい気もした。

翌日のネタにもなるという下心が働いたのだ。

徒歩二分のスーパーの面接は金曜日の夜なので、木曜日は二時間くらいなら動いても良いかなと思った。

 

「是非、お願いします」

「でも、金曜日の面接が受かればそちらへ行かれるんですよね?」

「ハイ、そのつもりです」

 

ここまで言っているのに工場見学させてくれるということは、この担当者は悪い人ではないかも知れない。

スーパーの面接に落ちたら、お世話になる羽目になるかも知れない。

つまり、何かの縁だし大事にした方がいいと思って、黙って事務所を出た。

本当は言ってやりたかった。

 

「この話、電話で良くないですか?」

 

私のことを相当疑っていて、何者なのかを確認したかったのかも知れない。

というわけで、どんな工場なのかこの目で確かめてくるぞ!

 

 

破壊から再生へ

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  • 作者:橋岡 蓮
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