nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

え?職場で泣くか?

職場と云うものは慣れてくると理不尽になるものなのかも知れない。

職場でバタクソに叱られた。

叱られたのは三点。

先ずは意味不明なこと。

 

「橋岡さん、下駄箱で私の場所にスニーカー置くのやめてくれない?橋岡さんが置いてある場所、私の場所なんだから」

 

は?下駄箱に個人の置き場所なんてないんですけど…

勝手に自分の場所って決めてるだけじゃん!

 

「え?何の話ですか?下駄箱?空いているところを使えばいいのだと思っていました」

「違うの、違うの。橋岡さんが使っている場所、私の場所なのよ。下に置いてくれないと困るのよ」

 

はいはい。

意味不明なことで朝っぱらから叱られるとは。

何か空気がいつもと違うと云うことに気付いた。

すると、別の人が私に向かってこう言ってきた。

 

「橋岡さん、フィッシュを出したら残数書いてくれないと発注できないじゃない!お陰で今日は三つしかないのよ。ちゃんと残数書きなさいって教わっているでしょ?」

「あ、それは私じゃないです。私は昨日、フィッシュの揚げ物やっていませんから」

 

なんだよ、副主任の責任じゃないか。

今日は本当に嫌な一日になりそうだ。

 

次に三つ目。

私は賞味期限を確認して、値引きをしようとした。

 

「橋岡さん、何回も教えたよね!」

 

ハッとして直ぐに気付いた。

食パンは新しいものが焼き上がってから値引きするんだった。

 

「すみません、焼き上がってから値引きでしたね…」

「あのね、何回言えばわかるの?本当に嫌になるんだけど…」

「すみません…」

 

あちゃ、やってもうた。

確かに何度も言われているが、食パンの値引きをするのは初めてのことだった。

そんなことは言い訳にならないので素直に反省していると…

 

怒りが頂点に達したらしく、泣きながら更衣室へ逃げて行ったのである。

慌てて、責任者がその人の元へ駆け寄った。

そして、店長になんやら報告していた。

およそ二十分はパン屋に帰って来なかった。

 

え?普通、泣くか?

そんなにショックだったのか、怒りで震えていたのか、その姿はパン屋で仕事に取り掛かっている私には見えるはずもない。

それにしても、泣いて更衣室から出てこないってどんだけだよ!

確かに私がやらかしたこと。

だけど、泣くか?

誰かから叱られるのは私であって、その人ではないはずだ。

何故泣くのか私は未だにわからない。

 

ミスしそうになった私が言うのも何だが、ミスは誰にでもある。

昨日までわかっていたはずのことがすっぽりと抜け落ちることもある。

この人達だって、何度もミスを繰り返して来たんでしょうに。

何だか集中攻撃を食らった気分になった。

私が辞めたら困るのは自分達なクセに。

 

ただポジティブに考えるしかないだろう。

私は百歩譲って、期待されている証拠だと考えることにした。

悪いが、この程度のことは慣れている。

理不尽な会社で理不尽な出来事を浴びるように経験してきた。

だから、真に受け過ぎず、流すこともできる。

それにしても、どういうわけだろう。

その後、私に話しかける者が一人もいなかった。

目も合わせてくれなかった。

だから私は開き直って黙々と自分の仕事に集中した。

 

やがて食パンが焼き上がったので、賞味期限を見ながら値引きをして帰ってきた。

 

職場と云うものは慣れてくると理不尽になるものなのかも知れない。

気付けば来週で丸二ヶ月になる。

ようやく仕事も覚えてきて、ペースさえ早くなれば皆について行けると思っていた。

向こうからしたら、そろそろ慣れてもらわないと困るわよ!みたいな気持ちなんだろう。

私からすると、せめて三ヶ月は大目に見て欲しいと願う。

日、月、と二連休で良かった。

気持ちをリセットできるからだ。

 

それにしても、泣くことはないだろうに。