午前中血液検査を終え、その足で寿司屋に入った。
煙草が吸える寿司屋だ。
あと一日遅ければビールが飲めたのに、まだ緊急事態宣言下だったのでノンアルコールビールで寿司ランチを食べてきた。
ところが、ランチに出てきた握りが酢飯のおにぎりを半分にしたようなボリュームで八貫はきつかった。
しかも、首を傾げたくなるようなネタ。
長居するにはいいけれど、たまにしかしない贅沢には不向きだなぁと思った。
北海道に住む母さんを連れて行かなくて良かったと、心から思った。
時計を見たら十三時。
こんなに満腹になっては、夜の酒が不味くなる。
そう思って、そこら中を歩き買い物をしまくったらヘトヘトに疲れてしまった。
だが、半額の薄手のセーターが二枚買えた。
出掛けるのが楽しみである。
赤色とベージュ色のセーターだ。
母さんが着なくなったジャケットを送ってくれたとのことなので、物を持たない私としては実に楽しみだ。
女のくせにポーチも持っていないので、それもまとめて荷物に入れてくれたようだ。
早く届かないかなぁ~。
少しは鞄の中や机の上が小奇麗になることだろう。
さてさて、先輩方がワクチン接種のため三連休である。
私はその間二連勤なのだが、通常より二時間延長になる。
クタクタになって帰ってくることだろう。
だが、チマチマしたいじめに耐えながらもバイトに通う私って、つくづく人生に体当たりしているなぁと思う。
一方で私には向いていないよなと思ったりもする。
テキパキした作業をすることが苦手だからだ。
いっそのことクビにしてくれたら楽なんだけどな、そう考えた瞬間ゾッとした。
それは武士じゃない。
あくまでも自分の意志で人生を決めることが大切だ。
とはいえ、自然とどこかへ流れて行くだろう。
苦手なことは、やはりどこかでピリオドを打つ時が来る。
得意なことは、これからどんどん伸ばして行かなきゃならない。
何故なら人生には限りがあるからだ。
今は修行として苦手な仕事に全力で取り組んでいるが、それは運命と遭遇するため。
タイミングが来たらこの職場を去ると思う。
やはりやりたい仕事をして人生を送りたい。
そのための勉強を、今しているのだが。
周囲は、私の行く末を心配している。
なかなか在宅ワークもないし、掃除のバイトに受からなかったくらいだ。
このまま働かせてもらえるのならパン屋でもいい。
しかし、先日こう言われてしまった。
「橋岡さん、このままじゃ務まらないわよ!」
つまり、私が足を引っ張っていると言いたいみたいだ。
「時間から時間まで働けばいいやって気持ちじゃ困るのよ!」
いやいや、そんなつもりは更々ないのだが…
きっと上から叱られて、捌け口が欲しいだけだと思う。
私はいいように考えているのだが、どうなのだろうか?
どこの職場へ行っても嫌なヤツはいるし、大差ないと思うのは私だけだろうか?
仕事で悩んでいる人は大勢いる。
私の場合、選択肢が他にない。
パン屋を辞めたら、働く場所がないじゃん!
近場だし、短時間だし、これで上手く行くならなんの問題もない。
もうちょっと様子を見る。
私ってそんなに足を引っ張っているのだろうか。
でも、三ヶ月働いてみて、向いていないよなとは思う。
果たして、私に向いている仕事なんてあるのだろうか。
それに出会うために、無理矢理頑張っているのだが。
これが体当たりの完全燃焼というヤツだ。
私は仕事に対する不満なんてない。
ただ、やたら叱られるだけだ。
笑っちゃうよな~。
仕事も家事もできない女。
密かに、社会不適合者ってウワサ。
だけど、何もできない人の代表として私は負けない。
できることなんて一つもないが、闘い続ける。