nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

できそこないの私

ターコイズブルーと云えば、『破壊から再生へ』に出てくるスーツケースの色。

それをイメージして、ターコイズブルーのニットを着ることにした。

射手座である私にとってはラッキーカラーでもあるからだ。

タートルネックと云うのが気に入らなかったのだが、仕方ない。

と云うのも、これは先日義母からもらった古着である。

わざわざ私のために古着を買ってくれたのではなく、義母が昔着ていたものを譲ってくれたのだ。

私が履いていた黒のレギンスも義母から譲ってもらった。

八十歳になる義母と似たような格好をしているということは少々笑える話だが、義母が若いということで。

私自身は割と無頓着である。

もらったものは何でも着る。

少々アンバランスでもあまり気にするタイプではない。

だから、大事な大事なインスタライブ配信で義母からの古着が着れてしまうのかも知れない。

帽子は、髪型が決まらないので、敢えて被った。

イメージとしては「さかなクン」である。

帽子でも被った方が、何となくインテリジェンスかという思い込み。

旦那のハードジェルを使ってオールバックにしてみたのだが、やはり上手く行かなかったのだ。

だから、帽子を被った。

帽子のもう一つの狙いは、互いの緊張をほぐすためでもあった。

いきなり画面上にデカい帽子を被った蓮さんが登場したら、空気が和み、皆も安心するのではないかと思ったからだ。

 

 

日中は丸亀製麺へ行ったのだが、私はおにぎり一個に留めた。

最近外食続きだったので、再び贅肉と闘うのが嫌だったからだ。

せっかくパン屋のバイトで五キロ痩せたのだから、キープしたい。

前にも書いたが、私にとっては常に腹八分がちょうどいい。

満腹になると、どうも自己嫌悪に陥るのだ。

必ずと言っていいほど睡魔に襲われる。

それが嫌なのだと思う。

丸亀製麺を出て、ワークマンへ行った。

節約しなきゃという割には、ストライプ柄の裏起毛のズボンなど買っているのを横目で見ながら、私は黙っていた。

私は欲しいアウターがあったが、買わなかった。

節約とは、欲しいものを買わないことだ。

本当にどうしても必要なものを、古着で我慢するのが節約だ。

だけど人間はそれぞれの価値観を持っているので、放っておくことにしている。

本当は隣でガミガミ言えばいいのかも知れないが。

ワークマンを出て、買い出しを済ませて帰宅後、一冊の本を読んでいた。

 

『できそこないの世界でおれたちは』

 

インスタライブ配信で、ケイゾーさんから色々質問されたら怖いので、ザっと読み返していたのだ。

感想についてはここでは書かないが、『できそこないの世界』ってまさに現代社会そのものだよなと思った。

何もかも上手く行っているようで、全てが歪。

『できそこない』という言葉は私自身を象徴するようでもある。

一ヶ月半に及ぶ就職活動で見事にどこも受からず、派遣会社からも相手にされず、唯一雇ってもらえたのは近所のスーパーのパン屋。

しかし、仕事はできないわイジメられるわ、最終的には追いやられてしまったようなもの。

ここまで社会に適合できないと、腹も括り易い。

だから個人事業主として開業届を提出したのだ。

自分が持っているものは全て使おうと決意したのだ。

まさに私が『できそこない』だったからこそ下した決断だ。

ただ、ふと思ったことがある。

世の中には事務職やら経理やら作曲やら、到底私にはできないことを職にしている人もいる。

その中で一体どれくらいの割合でインスタライブ配信ができるのだろうか。

そう考えたら、『できそこない』の私でもこういうことはできるんだぞ、という誇りにしてもいいのではないだろうか。

確かに顔出しするのは勇気の要ることだったかも知れない。

だけど私は背水の陣、もう後がない、負けたら終わりなのだ。

背中を押されたら走るしかないのである。

ケイゾーさん、ありがとうございました!