ドアーズを流して、赤ワインを飲みながらこれを書いている。
フージーズも聴いてみたけれど、やはり気分はドアーズかなぁと。
夕飯がチキンのバジル焼きだったので白ワインでも良かったんだけど、何となく赤ワインを選んで買ってきた。
六百円ほどの赤ワインだが、そこそこ美味くて満足した。
ビックリするかも知れないが、自分で自分のつまみや酒を選ぶことができるなんて独身時代以来のことだ。
いっそのこと、カマンベールチーズでも買ってくれば良かった。
しかし、贅沢はしていられないので、チキンのバジル焼きで妥協した。
でも美味だった。
日中、市の相談所へ行ったら「モラハラ」の本が山ほど並んでいた。
待ち時間にペラペラめくってみたのだが、元旦那に当て嵌まる項目が多々あった。
「誰のお陰でメシ食ってんだ?」
これもモラハラになるらしい。
周囲の言うことに耳を貸し、もっと早く相談していれば良かったのかも知れない。
しかし、私は元旦那のことを恨むということができなかった。
なんだコイツ?とは思っていたけれど、心のどこかで優しい時の人格を信じていた。
そう、最後の最後まで。
もしかした未だにそうかも知れない。
私っていう女は、その辺のどの男より女々しいかも知れない。
ただ、私なら別れ際、本人を目の前にして泣くけどな。
きっと。
思い切って出て行って、ぶった斬ったはいいが、あまりにもあっさりしているのでそりゃ凹むわ。
私の気持ちがわからない人にはわかってもらわなくてもいい。
この辺も私が少々変わったところ。
多くの人からの理解を求めていたのに対して、誰からもわかってもらえなくてもいいやというように思い込むようにした。
私はずっとずっと理解者というものを探していた。
しかし、今回の離婚を機に若干考え方が変わった。
孤独ではなく「孤高」に生きて行くためには理解など要らないのではないかと思った。
とはいえ、私っていう人間は、少しでも理解を示してくれる人のところへ導かれていく。
決して理解されることが大事なのではない。
自分は自分で突っぱねることが最も大事なのではないだろうか。
何せ、人間というものは十人十色。
それなのに理解者というものを求めてしまうからこそ、間違った方向へ進んで行くのかも知れない。
自分さえ自分のことをわかっていればいいのではないかとさえ思えた。
そこまでわかっているにもかかわらず、寂しさが襲うのはなぜだろう。
きっとそれは結婚というものに失敗したからだろう。
とっくに私には合わない人だと見抜いていたはずなのに、見誤った。
恐らく、自分が弱っている時に声を掛けてくる人は運命的な人ではないということだ。
当時、あれだけ多くの人から反対され、それでも結婚したいと思って結婚したはずなのに、やっぱり失敗だった。
革命を起こして前進したつもりだけど、この敗北感はなんだ?
この気持ちはしばらく抜けないだろうな。
物理的にはもう赤の他人なのだけど。
精神はまた別なのかも知れない。
結局保険証がなくて、来週の病院へは行けないことになる。
元旦那からしたら、ザマミロなんだろうな。
やれやれ。
せめて二十四日までに扶養から外れた証明書が届けば、来週朝一で市役所へ行って、ギリギリセーフで病院に通える。
この二日間は、どこへも行かず、ひたすら編集作業をするつもりだ。
食べ物のストックもあるし、ビールもある。
煙草もあるので丸二日間、一歩も外に出ず過ごす。
もしかしたら、ひたすら寝ているかも知れない。
しかし、今月用事が少ないのは『ロックンローラー』を仕上げるためだ。
気持ちを切り替えて頑張りたいのだが、エンジンが掛からない。
私って、腑抜けになったのだろうか。
だけどこの決断が間違っていなかったと思う日が必ず来る。
いや、既にそう思っている。
ただただ、わけのわからない脱力感に覆われているのさ。
全く以て、意味がわからない。