すっかりと風邪は治った。
午前中の遅い時間になって、慌てて皮膚科に潜り込んだ。
二ヶ月に一度、漢方薬と抗生物質をもらうだけなのだが、やはり億劫であることに変わりはない。
休日だったのでランチタイムをやっている店もなく、自宅に戻ってからおにぎりを食べて空腹を凌いだ。
せっかく風邪が良くなったので、早く寝るためにもまずはこれを書いてしまおうと思いパソコンに向かっている。
先日一冊の本を買った。
勿論私のために書かれた本ではないが、導かれたと言えば誤解は避けられるだろう。
私みたいな人間にとって、自分の謎解きのきっかけとなる本というのはさほど多いわけではない。
少々興奮気味に汗ばんでこの本を読んでいる。
読了するのが楽しみである。
当然のことながら、それと並行して執筆を進めていく。
たった一週間半で、ある程度仕上げなければならないと考えるとゾッとする。
病院通いをしている場合でもないかも知れない。
私の場合は一種の覚悟を決めている。
それは実にわかりやすく、ただ単に書き続けるということだ。
それだけを基準として全てのことを考えている。
私が人生の中で見つけたたった一つの価値であって、誰にも邪魔できないものであり、当然ながら誰にも譲ることもない。
勿論、この世は文章だけで食べて行きたい人の集まりであることは知っている。
私もそうなれるのが一番ベストかも知れないが、一生くすぶったままでいる覚悟も同時に決めている。
このままで良いと言っているわけではない。
かといって、諦めることもしないという覚悟だ。
なぜなら、私を支える一本の軸になっているからに他ならない。
幹が折れれば、それはくたばる時。
中には金のことだけを考えて文章を書いている人もいるだろう。
私が思うに、文章とは孤独との対話。
書かずにはいられないものだと認識している。
前にも書いたが、日々の投稿を書きながら、年間一冊本を出すのは私にとっては辛いことである。
しかし、私は日々の投稿に重きを置いている。
書くペースや内容は人それぞれだが、覚悟を決めている人はそれなりに各々活動していると思っている。
色んな媒体を利用して、自分の個性を存分にアピールしていることだろう。
私もその中の一人だ。
現状に満足しているわけではないが、かといって僻んで不満を垂れているわけでもない。
毎日一定数の人々に読んで頂き、決めた分量の文章を書き、本の制作も同時進行で行っている事実は、贅沢過ぎるような気もするからだ。
理由は簡単だ。
始めた頃は読者が一人もいない状況で、無料でしか自分の作品を提供することしかできないマイナススタートだったからだ。
一見すると物凄い時間とエネルギーを浪費しているようだが、私はそう思ってはいない。
マイナススタートだったからこそ、今の現状に慌てふためくことがないのだ。
どんどん落ちぶれて行くよりマシだろう。
そういった楽観的思考に持って行くことが可能になる。
もっと言うならば、人生そのものがマイナススタートだ。
プラスに転じた時でも、私はマイナスに飛び込んだ。
そうやって、人生の中で回転し続けながら生きている。
覚悟というものは、散々悩んだ挙句決断することだと思う。
最初から誰かに与えてもらうものではない。
ただし、覚悟を決めてしまえば、分かり易く言うとブレなくなる。
書くことだけを念頭に生きている私にとって、必要な人としか出会わなくなる。
私などは、最近それに気づいたのだ。
消えてゆく人は、私にとって必要ではなかった人というだけの話。
その代わり、応援してくれる人は、財産である。
何冊売れたとか、そんな問題ではない。
肝心なのは、どれだけエネルギーを注ぎ込んだか。
つまり、私が『ロックンローラー』に集中しているのはそういうことだ。
大袈裟に言うならば、くたばる覚悟で取り組んでいるということ。
ただ、それだけのことを毎日語りたくなる。