渋谷のオーイーストで行われている「パンクリブス」に来ている。
朝から晩までぶっ通しで約十七組のパンクバンドが演奏している。
右を見ても左を見てもパンク一色。
そんな中で私は演奏を聴きながらこれを書いている。
私はパンクにはあまり詳しくない。
ミッシェルガンエレファントは、パンクロックではなくグラムロックだそうだ。
ARBもパンクではない。
だから基本的にはロックが好きだ。
しかし、十分に楽しむことができた。
あまり知識がないのだが、パンクバンドと言っても色々あるんだなということがわかった。
どんなジャンルでも言えることだが、やはりボーカルにカリスマ性があるとそのバンドはいいバンドに見える。
逆に音はめちゃくちゃいいのに、ボーカルがイマイチだと勿体無いなと思ってしまう。
だってジムモリソンが抜けたドアーズは、誰も聴かなかったでしょう?
そういうものだと思う。
キャラはいいけど、歌とサウンドが合っていないバンドもいた。
しかし、パンクリブスに参加できるのだからそれなりのバンドばかりだったのだろう。
肝心な私は風邪気味。
風邪薬と栄養ドリンクを飲んでの参加。
酒で誤魔化そうと思ってラム酒を飲んでいたが、効果はなかったみたいだ。
喉が痛い、恐らく寝不足が祟ったのだろう。
そんな状態だが、盛り上がる客席とステージを観察している。
実は島根県の友達夫婦と一緒に来ている。
途中まで一緒だったのだが、気づいたら私は一人で演奏を見ていた。
だけど、こんなに大きなライブハウスで演れる演者は最高だろうなぁ。
私はあまりライブハウスまでは足を運ばなかった。
しかし、実際に来てみると、生演奏は実にいいものである。
それにしてもパンクなのにノレないノセられないものもあるもんだ。
客席を見ていると、それがありありと伝わってくる。
喋れば面白かったりするので、難しいものである。
バンドとしてのバランスも必要だと思った。
要は洗練されているかどうかだ。
そんなことを考えながら真剣に「音」を聴いた。
やはりクオリティ高いバンドでは、客席の盛り上がりが全然違う。
スンゴイ盛り上がり!!
乱闘騒ぎになってるし!!
いやいや、堪能させてもらった。
島根県のご夫婦、ありがとうね!
このご夫婦は私のエッセイ『破壊から再生へ』を夫婦で奪い合いしながら読んでくれているという。
『ロックンローラー』も良かったが、『破壊から再生へ』にハマったとのこと。
そのエピソードを聴いた時は、本当に嬉しかった。
もっと色々語って飲みたかったが、翌日も予定がありあまり時間がなかった。
予定とは、東京の府中で私の著書を売るイベントがある。
朝早いので、早めに帰ることにした。
それにしても、パンクリブスは凄い。
タトゥーを入れていないのが私だけかのように感じてしまう。
日本にもこんな集会のようなパンクイベントがあったのか。
ここに出ている人達も、どれだけ練習して、どれだけ悔しい想いをしてきたのだろう。
そう思うと励まされるような気もした。
そもそも、パンクっていうのはアル中、ドラック中じゃない。
励まされるというのが一番しっくり来るような気もする。
最近よく書くことだが、出会いは必然。
セックス・ピストルズ、ラモーンズ、クラッシュなどは知っていた。
だけどパンクを真剣に聴いたのは今日が初めてかも知れない。
パンク、いいね!!
来て良かった!!
帰りの半蔵門線はガラガラ。
朝五時に起きられるか心配だが、なんとかなるだろう。
そう言えば、ライブ中に「ダイブ禁止、歓声禁止」の呼び掛けがあった。
じゃあわざわざ全国から客を集めてパンクリブスやるなよと思った人が多かったみたいだ。
そりゃそうだよな。
「ダイブ」は付き物だし、歓声は止められるものではない。
チバユウスケは昔、こう言っていた。
「ルールがないことだけがルール」
ってね。
さてさて、気合いを入れて本を売ってくるか。