連休最終日、新作の執筆の後、赤ワイン片手に本を読みながらふと思ったことを綴る。
新作の「はしがき」を書き終えた。
一気書きしたのだが、友人に見てもらったら感動してくれたようなので、このまま進める。
タイトルは『もち吉の願い』、今は亡き愛犬の物語だ。
私にとって大切なことであり、どうしても残しておきたかった。
短編ではなく、長編小説になるだろう。
幸福らしい幸福を手に入れていない私がどこにフォーカスを当て、読み手に希望を与えられるのかが見どころだ。
はしがきが完成した時点で手を止め、この投稿を書くことにした。
心がざわついているので、紛らわすかのように本を読んでいた。
そこへ一本の電話が鳴った。
いつも通り、特に変わったことはない。
それなのに、私は一つの「変化」に気づいた。
それと同時に物悲しい気分になった。
私は沈黙に耐えられるほど強く生まれてきていないのだが、沈黙を破るかのように喋る図々しさも持ち合わせていない。
お互いに無邪気に喋りまくる間柄に陰りが見えた。
距離を感じ、壁を感じ、人と人が共に生きることの難しさを感じた。
恐らく私のことはそれほどわかっていないのだろう。
私という女がどれほど強くて傷つきやすい存在か。
当然のことながら、私だって相手のことは何も知らない。
何がきっかけだったか覚えていないが、明らかに流れる空気が変わった。
それは関係性が変わったことを物語っているようだった。
一体なんて表現すればいいのだろうか。
友達でもない代わりに、仲間でもない。
何気ない電話すら、義務的なものを感じてしまった。
私から何かを話すわけでもないので、電話を掛けてきた相手だって気まずい空気は苦痛だろう。
表面上はお互いにとても穏やかであるが、腹の中はきっとドロドロしているのだろう。
電話を切った後、何とも言えない悲しい気持ちになって、本をめくった。
本当は、誰かに胸の内を聴いて欲しかったのだが、ここに書くことで整理することにした。
単純な私は、ある意味とても複雑だ。
恐らく、多くの人が私のことを理解できないのだと思う。
何気ない電話、たったそれだけで傷ついているだなんて想像もできないし、理解したところでどう対応していいかわからないはずだ。
こんな時、どうすればいいのか私だってわからないのだから。
だから赤ワインを飲みながら本を読んでいた。
それでも気持ちが落ち着かないから、さっき書いた投稿の内容を全部消してこれを書いている。
私って、寂しいのだろうか?
いや、それともまた違うような気がしてならない。
勿論、誰かからすこぶる愛されたくて仕方がない生き物。
ちょっぴり神経質なところは、文章を書くという面ではプラスに働く。
しかし、人間との付き合いに於いてはマイナスに作用する。
神経質すぎるがあまり、度々人のことを誤解する。
蓋を開けてみれば、私のことなどそれほど考えていないというのがオチ。
取り越し苦労が多々あるということだ。
以前こんな話をここで書いたことがある。
私は人間関係には悩まないとね。
何故ならそれは、疲れると距離を置き、深入りしないからだ。
でもよくよく考えると、それって逃げじゃね?
大事な人なら、プライドを捨てて、時にはこちらからぶつかってみることも必要なことのように思う。
一人に慣れている私は、人一倍寂しがり屋なくせに人との距離に安堵したりする。
そうかと思えば、縮まらない距離に絶望し、放り投げる癖もある。
ま、ここまで書けば幾らか気持ちは晴れてきた。
「人前」であるこの場で大勢の人に読んでもらうことは、私にとってはとても大切なこと。
カーテンが開けっ放しの窓へ向かう腰が重い。
テンション高めな偽善的な投稿は消して良かったよ。
正直に向き合うことで、一つ救われた想いだ。