脳みそが爆発する一歩手前で予定が入り、支度して家を出た。
やっと正月が終わると思うと、胸を撫で下ろす想いだ。
一月のカレンダーを見ると、在宅での打ち合わせなども含め、そこそこ予定が埋まっている。
友達に会う予定などもあるので楽しみにしている。
予定とは別に取り組まなければならないことがある。
何度も言っているが新作の執筆だ。
私としては、一日五時間以内の執筆がベストだと思っている。
長時間ダラダラとパソコンに向かっていても、大したことは書けない。
短時間集中で、あとの時間は執筆のことを忘れるくらいで丁度良い気がする。
飲みに行ければベストなのだが、金がなければ長風呂もいいだろう。
スーパーが遠いのが難点だが、買い物へ行くのもよい。
とにかくパソコンの前から離れた方がいい。
家を出て、外で読書をするとか。
こたつの上にノートパソコンの生活は便利だが考えものでもある。
自分を解放させてあげられないからだ。
実は友達と初詣に行ってきた。
場所は原宿の明治神宮である。
原宿までの道のりは、電車が空いていて、座ることができた。
久々の原宿。
本当は洋服など買いたかったが、これまた贅沢だと思って我慢した。
ピンク色のトレーナーが欲しいのだが、原宿は高い。
たまには財布の中身を気にしないで買い物がしたいよ。
母さんは値札を見ないで買うそうだ。
それがどんなに贅沢なことかと言ったら、日頃から節約しているからとのこと。
私も節約しているけどね。
帰りは上野公園に寄った。
天気も良く、最高だった。
人混みだったが気にならず、厚着して行ったので寒くなかった。
神様にお願いごとをしようかと思ったが、いざとなったら何もなかった。
だから、珍しく「健康」などを祈願してしまった。
健康であるということは、仕事も順調だということだ。
敢えて、新人賞受賞については祈らなかった。
私の中ではもう決まったことだからだ。
強いて言えば、パートナーができることを祈れば良かったかも。
そんなことを考えながら、上野公園の蓮池をボーっと眺めていた時だ。
「あれ?携帯がない…」
そうだ、たぶんベンチの上だ。
いや、もしくは歩いていて落としたか?
非常に大切なものを失くしたのだが、心はでんと構えていた。
携帯電話を紛失した時、ドコモショップではどう対応してくれるのだろうかとシミュレーションしていたくらいだ。
正月早々、携帯電話を失くすなんて笑える話だ。
どんだけツイていないんだよ、などと思いながら探したのだが、やはりない。
ところが神様っていうのは、日頃の行いを見てくれているようだ。
ちゃんと交番に届いていた。
「失くした携帯電話の特徴を教えてください」
身分証明証を提示し、無事に受け取ることができた。
そして、晴れてアメ横へ飲みに行った。
ガード下の、居酒屋は大変混雑していた。
怠くならないように気をつけながら飲んだが、やはり少々飲みすぎたようだ。
フラフラで帰宅し、水で酔いを覚ましながらこれを書いている。
あんなに爆発寸前だった脳みそは、リフレッシュと酒の力も相まって、いい感じにマイルドになった。
異常に肩と首が凝っているのが辛いが、一日外に出ていると心は解放される。
ふと思ったことがある。
欲を捨て、健康などを祈ったことは「もち吉iPhone」が戻ってきた原因ではないだろうか。
それとも、待ち受け画面を陣取っている「もち吉」による天国からの計らいかも知れない。
いずれにせよ、不幸中の幸いというべきだろうか。
しかも、私にも初詣に行く友達がいてよかった。
何となく、もち吉のにやけ顔が夕陽に映ったような気がした。