nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

決め手の一言

休みだったので、無料PDFを書いていた。

書きたいことを、ざっと五千文字くらい書いた。

パソコンに向かうのは久々のことだが、自分の中にあるブランクを感じない。

あれもこれも書きたいと思っていたら、小冊子ができてしまいそうだ。

過去作と被らないようにする工夫もしていて、手にした満足感を味わってもらえるようにと考えている。

書き始めてみると、大した手間ではない。

整骨院から帰ってきてスーパーの寿司を食べながら日本酒を少々飲んだら眠たくなってしまったので、眠気覚ましにぶどう酢豆乳割りを飲んでいる。

無料PDFを書いていたら、契約している化粧品会社からメールが来た。

ビタミン導入剤が新発売だそうだ。

この夏限定の商品だそうで、慌てて電話して注文した。

更に、コラーゲン入りの青汁の定期コースに申し込んだ。

これについては来週届くことになっている。

意地でも綺麗になってやる。

最近、コンビニやスーパーへ行っても目に付くものが変わってきた。

夜ご飯にネバネバ蕎麦とオクラのお浸しを買った。

以前の私なら、焼鳥とおにぎりとカップラーメンだったのに。

騙されたと思って、とにかく野菜を食べてやる。

綺麗になるためなら、何でもするさ。

 

 

口説かれるより告白されたい。

実はそのように思っている。

心のこもった『付き合ってください』の一言があるとないじゃ大違い。

まぁ、それに対して私くらいになると『うん』か『はい』しか言えないのだが。

その大事な一言が言えなかったがために脱落して行った人も多々。

当本人はその必要性を感じていなかっただけかも知れない。

器用なタイプでもないし、駆け引きなんてできるはずもない。

重々わかっているのだが、私にとっては大事な一言なのだ。

逆に言えば、その一言があれば大概落ちる。

それを言われて断ったことがないかも知れない。

いや、あるにはあるが、筋が通っていないから断るのである。

大事な局面で、大事な一言が言えるかどうかは人生を劇的に変える。

私にも同じことが言えるのだが、とある男からこんなことを言われたのを強烈に覚えている。

 

「男から好きだって言わせないとダメだぞ」

 

当時その男は既婚者だったにもかかわらず、私は早朝に電話を掛け、夜勤明けの彼にいつもこう言っていた。

 

「大好きです」

 

結局その男とは付き合うこともなく、別々の道を歩むこととなった。

しかし、その男から言われたことは大抵覚えている。

ある意味で、アンダーグラウンドな世界の師匠みたいな存在だったのだ。

私の小説『ロックンローラー』の感想を訊いたが答えてくれず、それっきりとなったのだが、その理由は未だにわからない。

恐らく、私のことを誤解していたのだろう。

ロックンローラー』に描かれた『加奈子』という主人公を目の当たりにして所謂一つのショックを受けたのだと思う。

からしたら師匠だったのに、私達はその程度の関係だったのだと知り、ある意味ショックだった。

 

 

私が元旦那と結婚した理由は、もち吉が可愛かったからだ。

それだけではない。

 

「結婚前提に付き合おう」

 

そう言われたからだ。

そして所謂『段階』を踏んでくれた。

大事な一言があり、お泊りがあり、初夜があり、みたいな。

だから大事にされていると思ったのだが、結局上手くは行かず終わってしまった。

もち吉もあの世へ逝ってしまった。

愛すべきものを失った私は、やはりそろそろ愛すべきものがいてもおかしくはない。

いや、愛してくれる人が欲しいのだ。

でも何を基準に愛されているか判断するかって、やはり大事な一言かも知れない。

決めるべき時に決められない男はそれまで。

結局、一言で決められない男は勿体無いかも知れない。

たとえ器用に愛せなくても、たった一言でハートを鷲掴みにできたかも知れないのに。