仕事が終わり、どうしても肉が食べたくて、焼肉屋を歩き回った。
ところが、週末ということもあり全店満席。
仕方がないから定食屋で生ビールを頼んだ。
ハイボールが無いのが残念だが、久々に飲むビールは美味い。
実はかなりの勢いで凹んでいる。
クレーム対応はできても、やはり事務処理が苦手なようだ。
次々にミスが発覚。
周りの人達も、橋岡さんには頼みたくないといった様子で、かなり苛ついているのがわかった。
要は、二度手間になるし、ミスがあれば更にお客さんを怒らせることになるからだ。
やれやれ、コールセンターでは無敵だと思っていたのに、事務処理をやる羽目になるとは。
私は昔から事務処理が大の苦手。
だから事務職は徹底的に避けていた。
ドコモショップ時代も事務処理のミスは半端なく、いつも叱られてばかりだった。
その代わり、営業は得意だった。
新規契約を次々と獲得するも、事務処理でミス。
使えるのか使えないのかわからないヤツだった。
対面販売は得意だが、自分一人で事務処理を正確に行うことができない。
つまり、なんとなく感覚でやってしまうからだ。
事務処理をしたことがない人はわからないかも知れないが、私みたいに勘や感性で生きているタイプは向かないのである。
覚えるのは人一倍早く、処理も早いのだが、細かいところまで詰めておらずミスに繋がる。
今回も完全にそのパターン。
処理のスピードは速いから、最初は期待される。
ところがミスを連発すると、任せられなくなる。
きっと私の様子を見るのか、外すのか、悩んでいるだろう。
やはり神は、私を得意分野へは呼び寄せてくれない。
苦手分野を克服しろとばかりに。
苦手なことでミスを連発すると、流石の私も参る。
そんな中、なんとか一日を終えた。
結局、私はまだ上からの報告はないものの、コールセンターを継続することになりそうだ。
しかし、それがいつまでなのかは誰にもわからないそうだ。
不安定な状況が続くが、こんな時信じられるのは、やはり自分しかいないだろう。
私ならどこへ行っても何をやってもなんとかなるだろう。
事務処理が苦手でも、営業でカバーできるだろう。
給料も働いていればそれなりにもらえるだろう。
昔、占い師に見てもらったら、好きになったら誰とでも結婚できるし、どこでも暮らせるし、書くことは一生の仕事になるでしょうって言われた。
それをなんの根拠もなく信じている。
私ならどう転んでも大丈夫だってね。
定食屋を出て、喫煙所へ向かった。
ちょっと食べすぎたか、睡魔が襲ってきた。
店にハイボールがなくて良かったかも。
生ビールは百五十円だった。
ニシンの開きがメニューにあったから、次回はそれかな。
サーモンの塩焼きも捨てがたいが。
それにしても、人生っていつまで修行なのだろうか。
いい加減に得意分野で勝負できるようになってもいいと思うが。
苦手分野の克服は、若い頃嫌というほどやってきたはずだ。
こんなことばかり続けていたら、私だって働けない歳になっちゃうよ。
選り好みしているうちに結婚できなくなるようにね。
それって嫌いなタイプと付き合っているのと似ている。
時間が勿体無いどころか、無駄ってヤツ。
もう社会勉強は要らないから!
さっさとゴールに向かいたいのに、どうしていつもこうなんだか。
若い頃は遠回りの人生を歩む運命にあるらしいが、もう本気で若くないから!
忍耐も訓練も鍛錬も、もう懲りた。
それともまだ若いとか言われちゃうのかなぁ。
いつまで生きられるかもわかんないのにね。
所詮、人間なんて。