nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

人を疑わない心

先日ほどではないがやはり寒い。

エアコンを付けて、毛布を膝の上に掛けている。

帰宅時、ジャンパーをリハビリセンターに置いてきてしまった。

やれやれと思っていたら、今度はお気に入りの傘をバスの中に忘れてきてしまった。

疲れているせいか、それとも連勤が終わって浮かれていたのか。

何やってんだか。

まぁ、連休なので休日を満喫したいと思う。

身体がかなり楽になってきた。

三浦知良選手も言っていたけど、一番大切なのは睡眠だって。

たぶん、先週はしっかり寝たからなんとかハードスケジュールをこなすことができたのだろう。

この調子で今月を乗り切ろうと思っている。

 

 

こんなことがあった。

鬱病を患っている利用者さんのことが気になって、極めて優しく接し、楽しませるように努力していた。

ところが先日、朝血圧を測ったらめちゃくちゃ高かった。

我がリハビリセンターでは、一定の数値を上回った方はお風呂に入れないのである。

 

「せっかく来てくれたのにお風呂に入れないなんて残念ですね」

 

私は血圧の高い利用者さんにそう話しかけてみた。

 

「お風呂入りに来ているのに、お風呂は入れなきゃこんなとこ来ないわよ」

 

え?一瞬ドキッとした。

こんなとこ?

私はてっきりリハビリセンターで気分転換ができているのだと把握していた。

ところが、目的はお風呂のみだと言う。

この数ヶ月間、この利用者さんに寄り添ってきた私としては絶大なるショックを受けた。

その旨をミーティングで報告した。

すると、一番の古株である先輩スタッフはこう言った。

 

「あの人のこと真に受けたらダメだよ。性格悪いから」

 

マジすか!

出た!

信頼から入って人を疑ったりしない私の弱点。

このショック、伝わる?

友達にこのエピソードを軽く話してみたらこう言われた。

 

「蓮ちゃんは百戦錬磨の割には、人を疑うことを知らないようだねぇ」

 

知らないよ、知らないよ、痛い目に遭って初めて疑ってかかるようになるのだ。

最初はどうしても信頼から入ってしまう。

友達は続けた。

 

「蓮ちゃんは人間を見たら泥棒だと思えという概念を持ち合せていないんだね」

 

ないよ、ないよ。

だから不倫相手の奥さんを抜け抜けと自宅に招き入れたりしたのだ。

これってお人好し?いや、バカなのか?

そんな私を見て他人は安心するのかも知れない。

しかし、中には性格の悪いヤツがいて、付け込んでくるのだろう。

私には誰かに付け込むという概念が更々ないので、その概念もわからないのだが。

 

 

てかさ、今となってはこう思ってしまう。

この利用者さんは本当に鬱病なのだろうかと。

少しでも元気になってもらいたいという私の気持ちはやり場を失くした。

どのように接すればいいのかわからなくなったが、今まで通り優しく接する。

本当に風呂に入りたいだけでここへ通っているのだろうか?

私が今まで聴いた話では、家ではほぼ寝たきりだという。

お年だから億劫なのかなぁ?

スタッフ同士で喋っていたのだが、楽しんでいるよねって言っていた。

人間って難しい生き物だ。

なんだろうな。

血圧高かった原因は、自己判断で血圧を下げる薬を飲むことを止めたことらしい。

マジかよ!

じゃあ、リハビリセンターのせいではないじゃん。

なんかガッカリしてしまった。

やっぱり私ってヤツは、いくら経験を積んでも人のことを見抜けないのかも知れない。

しかし、人を疑って笑顔が歪むくらいなら真っ正面から信じて満面の笑みでいたい。

良くも悪くも私はそういう人間である。

そしてその人の本性がわかっても構いはしない。

ただ、信頼から入るとちょっぴり痛いこともある。

それでも尚、私は自分を貫こうと思っている。

世の中、私みたいなヤツばっかりだったら平和なのにな。

そんなことないか。

ガラスのハートは少しだけ傷ついたけどね。