nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

甘い蜜を吸わせろよ

せっかくお泊まりセットを持って会社へ行ったのに、元ホストは休みだった。

そんな日に限って私の成績は絶好調で、もし居たら褒めてもらえたかも知れないなどと考えていた。

私って大馬鹿野郎だ。

ところが肝心な充電器を忘れ、残り数%しかないのにプロントに入ってしまった。

一ミリでも綺麗になりたくて、昼ご飯にサラダを食べた。

野菜嫌いの私も、本気出せば食べられるんだと思った。

軽くダイエットもしたくて、パスタをやめてハムカツを食べた。

何の意味もなさそうだが、炭水化物を摂るよりマシだろう。

 

 

だが、楽しいはずのコールセンターの仕事はいつまでも続かないだろうと予想している。

きっとドコモ常勤が決まり、元ホストとも離れることになるだろう。

ところがドコモの面接の日程が決まらない。

もうどうでもよくなってきた。

どうにでもなれ、みたいな気分である。

 

 

隣の席に座った人がなんとホームレスで、キャリーケースを担いで出勤してきた。

おいおい、家がなくても働ける職場なのかよ?

どうやら登録は『寮』になっているらしい。

そいつが家なき子だと聞いて、私の過去を思い出した。

私も札幌で、ホームレスの状態でコールセンターに通っていた。

住民票は友達の家に置かせてもらっていた。

ただ私は友達の家を飛び出し、ジムニーの中で寝泊まりしていた。

当時私は三十代前半で、病を患い、とんでもない想いをした。

逃げるように富山県へ行き、ゴミ処理場で働きながらアパート代と手術代を貯めた。

三十代の小娘がそこまでやったのだから、今の私は無敵なはずだ。

ところがあまり無理が利かなくなってきた。

その割には、無茶しているようだが、怖いものでそれにも慣れてきた。。

そんな武勇伝を、やっぱり誰かに語りたい。

元ホストは、その類の話を聴いてくれるだろうか。

所持金二万円で上京したことや、全国各地でホステスになったことなど。

いや、ホステスだったことはまだ内緒にしておこう。

 

 

そう考えると、話したい話がたくさんあるように思う。

今までのどんな客より、どんなコールセンターガールより、私が一番面白いとわかるだろう。

これで実は私になど興味がなかったら笑える。

いや、全く笑えない。

でも、近い将来離れることになるのはたぶん間違いないだろう。

人生はそう甘くはないのだ。

神は私に甘い蜜など吸わせるはずもない。

とはいえ、それを自分の都合の良いように利用する必要がある。

つまりコソコソ隠れて付き合えばいいのだ。

投稿にすら書かなかったりして。

それは果たして皆を裏切ることになるのだろうか?

これだけ書いておいて結末だけを隠したらそうなるだろう。

 

 

天は二物を与えずというが、全てを手にする時が来るような気もする。

もしくは、何も手にできないか、一つ一つ手にして行くかだ。

最終的には私みたいなヤツは、あれもこれも実現して、超が付くほどの大器晩成の人生を送るような気がしてならない。

つまり望みの仕事もパートナーも全部かっさらうということである。

それはもしかしたらこの街にいるからこそ叶うことなのかも知れない。

都会にいる意味を見出せず、地方で暮らす人々が眩しく感じたこともある。

しかし、今こうして若者の中に混ざって悪戦苦闘していることにはちゃんと意味があるのだろう。

天は何を一体見ているのだろうか。

私の生き方そのものか、はたまた、心の中まで見えるのか。

私が何を望み、どう生きようとしているのか、知り尽くしているというのだろうか。

大体ね、四十歳過ぎて中盤に差し掛かろうとしている私が一人でいるなんて摩訶不思議でしょう。

こういうのを正真正銘の『勿体無い』と言うのである。

それを一番よくわかっているのは天でしょうに。

私にも甘い蜜を吸わせろよ。