nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

悲劇中の悲劇

なんと、十円ハゲができた。

しかも、分け目の生え際のところだ。

原因は調べたがわからなかった。

ストレスなのか過労なのか。

めちゃくちゃショック!!

この美意識の高いワタクシ、こんな悲劇ってあります?

皮膚科へ行かなくちゃ!

マジで泣けてくる。

十円ハゲができるくらいなら、熱中症で倒れた方がマシだ。

私って可哀想すぎる。

慰めようと思って、谷塚駅前の居酒屋までわざわざ歩き、サーモンの刺身を食べたら生臭くて食えたもんじゃなかった。

手を付けず黙って帰ろうと思ったが、店のためにも言った方がいいと考えた。

 

「すみません、このサーモン鮮度が悪くてとてもじゃないけど食べれないです」

「申し訳ございません、キャンセルされますか?」

 

キャンセルできるんかい?!

その言葉に気を良くした私は、店員さんにこう言った。

 

「ブリは?鮮度がいいならもらうけど、悪いなら要らないから」

「今日入ってきたばかりのものですが、鮮度が悪かったら仰ってください」

「先程頼んだ巻き寿司は持って帰ります」

「あ、かしこまりました!」

 

さすが田舎町!

物分かりがいいじゃないの!

よっぽど隣の居酒屋へ移ろうかと思ったが、我慢して良かったのかも知れない。

美味い刺身が食べたかったが、人間味に触れただけで私はこれまた納得した。

 

 

今日入ってきたブリ刺しは、まぁまぁだったかな。

カウンターにはオバちゃんが一人で座っていた。

 

「刺身食べながらご飯食べにきたの。一人だけどいいかしら?」

「こちらのお先にどうぞ」

 

ほらね、この店には刺身を求めた客が集まるのだ。

あんなサーモン出したら店が潰れちゃうよ。

田舎町にある居酒屋っていうのはとても貴重なのだ。

私も人から貴重な存在と思われたいのかも知れない。

会社ではバッチリ貴重な存在となっている。

私が会社の扉を開けるだけでその場は明るくなり、適度な緊張感に包まれる。

友人曰く、私には品格があるそうだ。

だとしたら田舎町の居酒屋ではなく、都会の料亭かも知れない。

あ、そうだ、十円ハゲのことを思い出した。

料亭と気取りながら、私、十円ハゲなんだ!

どの口が品格とかほざいているのか!

 

 

蓮ちゃんには品格があると言った友人は、十円ハゲはストレスから来るものだと言っていた。

ネットでは原因不明だが皮膚科へ行くようにと書いてあった。

ストレスならば、やはり仕事だろうか?

仲間とのコミュニケーションにおいてはストレスは溜まっていないはずだ。

むしろ、楽しんでいるし、頭で言葉を選びながらも言いたいことははっきり言っている。

今、勉強会ではコミュニケーションについて学んでいる。

わかりやすく言うならば、同じリアクションでも人によっては受け取り方が違う。

そのため、まずは相手を知ることが重要なんだと再認識した。

一方的ではなく、相手がボールを受け取れるように投げることが肝心なのだ。

そして相手がこちらにボールを投げ返したくなるような関係を築くことが大切だと私は思っている。

 

 

私にはプライベートもクソもない。

身内か仲間か、そのどちらかだ。

友達を超えた親戚のような人が沢山いる。

遠く離れているとか、会ったことがないとか、そんなことは何の問題にもならない。

いつも一人のようで一人じゃない。

大勢に囲まれているようで、群れることはない。

品格って何なのか?と考えてみたが、恐らく悠々としているからだろう。

怖いものなんて無いはずなのに、十円ハゲができるなんて!

朝、鏡を見た瞬間愕然としたのだが、こりゃ皆にネタを振る舞えるとも思ったわけで。

自慢のロングヘアも十円ハゲを前にしたら台無しだ。

趣味はコミュニケーションみたいな私がストレスだなんて結びつかないのだが、一体何がきっかけとなっていたのだろうか。

考える前に、まず皮膚科かな。