目に映るものが全て二重に見えるようになって七年。
眼科を受信して「斜視」と言われて六年。
当時は眼鏡で対応できたものの、今では眼鏡では対応できなくなってしまった。
視力も著しく低下した。
そこで、先日草加市立病院の眼科を受診。
「外斜視ですね。眼鏡対応か手術か専門家医に診てもらってください」
というわけで、御茶ノ水の眼科へ行ってきた。
御茶ノ水駅の目の前で、やたらと高いビル。
十八階から二十階がその眼科である。
右を見ても左を見ても、お年寄りばかり。
再来月で四十二歳になる私だが、圧倒的に若かった。
診察はおよそ四時間に及び、四種類の視力検査と血液検査を行った。
御茶ノ水へ行く途中、北千住の駅のホームにある立ち食いそば屋でとろろ蕎麦を食べた。
しかし、あまりの寒さにかけそばにすれば良かったと思った。
この前の日、インスタライブ配信をして、少々飲み過ぎたせいか二日酔いで眼科へ行く羽目となった。
お陰で眠たくて眠たくて、目の検査が物凄い負担になった。
まぶたを持ち上げておくのがしんどかったのである。
結果としては、後日他の病院で脳のMRIを撮って、その後手術に臨むとのことだ。
怖いよ~!!
いやいや、医療技術は進歩している。
頑張れ、私!
目安としては、年内に手術できればいいかなというところ。
幾らくらい掛かるのか、医師に訊く勇気がなかった。
保険は効くのかとか、もっと具体的なことを聞いて来れば良かった。
こういうところが裏目に出て、結婚生活にも悪影響を及ぼすのよね。
私の一番悪いところ。
次回受診した時には、しつこいくらい訊いてみよう。
そして速攻で、保険屋に電話、だな。
目が良くなったら、世界変わるかしら。
綺麗なものが一段と綺麗に見えるようになるだろう。
文字も極めてハッキリ見えるようになったら、読書も苦痛ではなくなるだろう。
執筆もよりスムーズに進むことだろう。
「橋岡さんね、よくこの状態に耐えられましたね。斜視の幅が大きすぎます。眼鏡対応は難しいですね」
「…そうだったのですね」
「脳に異常が無いか、一応調べてみて、どこも悪いところが無ければ手術するのが一番良いかと…」
「わかりました」
いやいや、目の不調が現れてから七年間、何度脳のMRIを受けたことか。
頭痛などが主な要因だが。
血液検査は三ヶ月に一度行っている。
それでもやらなければならないのが病院ってもんだ。
それにしても四時間の検査は長かったなぁ~。
会計を待っている間、ふと目を遣ると御茶ノ水の景色が絶景だった。
埼玉県(家は住宅街)にいると、東京の景色がとても美しく感じる。
高層ビルに光るネオン。
ましてや、外は雨だった。
薄暗い東京の夜景が見事で、写真を撮るのも忘れて見とれていた。
旦那と喫茶店で待ち合わせをしていて、私がその店に着いたら十七時を過ぎていた。
「もしかしたら、このまま居酒屋へ連れて行ってもらえるかも知れない」
そう思った私が甘かった。
満員電車に揺られて草加駅まで帰ってきて、私が勤めていたスーパーに寄ってお惣菜のトンカツを買って自宅で食べた。
それにしても疲れた。
ただ、自分で思っていた以上に深刻だったということだ。
文字を見るのが私の仕事でもある。
あとは医師を信じて言う通りにしていれば、治るだろう。
無事に年を越せるよう、期待しよう。
というわけで、何度か御茶ノ水へ通うことになる。
手術後に酒を飲んでいいのかわからないが、ホルモン焼きの店を見つけてしまった。
うわぁ~行きたい~!!
私ぐらいになると、平気な顔して一人で入れる。
きっとホルモン焼きの店は酒もキンキンに冷えて美味かろう。
とはいえMRIを撮るにも手術するにも金が掛かる。
しかし、行きたいものは行きたいんだよな~。
ホルモン焼きの店などで読書をしていると、上京したばかりの八王子を思い出すだろう。
あぁ、あの頃は若かった。
そんなことはどうでもいいのだが、またふと考える。
目の手術か…と。