特に何もないのに落ち込んだりして、少し寝込んでいた。
無性に心が痛かったのだ。
一時間半ほど横になったら、少し楽になったのでパソコンに向かってこれを書いている。
なんだか今年の正月はやたら昼寝をしている。
いや、少しでも横になると心が楽になると気づいたからだ。
薄暗く、まるでつい最近引っ越してきた男性一人暮らしのような部屋。
正月でスーパーにろくなものが置いていないことを理由に、出前を取って凌いでいる。
本当に男の生活みたいだ。
正月が明けたら、米を買いに行こうと思っている。
少しは節約になるだろう。
ところで、私は当分の間、勤めに出ないことに決めた。
フリーでもなんとか生活して行ける目処が立ったからだ。
貯金が沢山あるわけでもないが、今、一番大切なことは新作を創ることである。
贅沢はできないが、介護職に戻ってしまえば、疲労で作品制作ができないと判断した。
収入がないわけではない。
一ヶ月どれくらい生活費が掛かるのか計算してみたが、なんとかなるような気がしたし、どうにもこうにもならなかったら、バイトでもしようという決断に至った。
なるべく早く作品を創り上げる必要がある。
とは言っても、予定では九月一日に発売するつもりだ。
印刷の時間など逆算して、夏には原稿が完璧に仕上がっているようにしなければならない。
あっという間である。
今は、あらすじを書いているのだが既に二百ページを超えてしまった。
ここから精査して、一つの物語を作って行く。
皆が楽しみに待っている『もち吉』という愛犬の物語も入れるので期待して待っていて欲しい。
勤めに出ないということも一つの覚悟である。
そんな中で化粧品を買ったり、美容室へ行ったりしなければならないので、楽ではない。
でも神様は何故か私の味方である。
天は自ら助くる者を助く。
私はそれを痛感している。
新作は日常を描いていて、共感ポイントがとても多い作品になると思う。
誰にでもあるような一コマを、私の目線で描く。
うんうんわかる、というような痛快な一冊になることだろう。
これが『ロックンローラー』と同じ作者なのか?と驚く人がいるかも。
この制作は、とても楽しんでやっている。
私自身が共感したり、涙したり、怒ったり、感動したり、笑ったり。
まさに蓮ワールドのエンターテイメント。
思わず、自分の引き出しの多さに手を叩きたくなるほどだ。
一番大切にしたいのは、主人公の心の揺れ動きである。
元々、この作品はどこかの出版社から出そうと思っていた。
しかし、今となってはどうでもいいことのように思える。
高い金を払う余裕はない。
ただ、新人賞を受賞したことで、どこかの出版社に買い取ってもらえるならそれでもいい。
とにかく、ワクワクする方を選ぼうと思っている。
誰かにとやかく口出しされて嫌な想いをするくらいなら、完全に自分一人で制作した方が納得が行く。
そう考えると、もはや、私を目の前にした時、出版社の価値はないかも知れない。
メリットが見えないから、頼ろうとしないわけだ。
当然、一人作業には会話が無い。
もしかしたら、会話によって傷つく自分がいるからかも知れない。
会話?
確かに私は誰かと会話することが少ない。
電話する人もほんの僅か。
それでもあまり寂しくないのは何故だろう。
人と会ったところで無口な私はあまり喋らない。
私から見る人間とは、不必要な会話で時間を浪費し、不快感を抱いているようだ。
私の美学はこうだ。
本当はお喋りが大好きな人間が、喋る相手が限られているため、書きたいことが膨大なのだ。
つまり、私にとって『書く』とは、読んでくれる人に話しかけるお喋りに他ならない。
無口な人間によるコミュニケーションの最高のツールなわけだ。
奥底ではこう思っているはずだ。
聴いて、聴いて、私のことをもっと知ってよ!ってね。