nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

夢はみなけりゃ夢にはなれない

ずっと家にいたから気が狂いそうになって、外に出た。

年賀状を出しに行くついでに目に入ったのが『くら寿司』だった。

さほどお腹は空いていないが、気晴らしに入ってみた。

店内は時間的にガラガラだった。

ちょうど十六時頃で、まだ外は明るかった。

お腹空いていないくせに五皿は食べ過ぎた。

風が気持ち良く、もっと早く外に出れば良かったと後悔するほどだった。

くら寿司のカウンター席を振り返ると、綺麗な夕陽が見えた。

あまりにも綺麗だから何度も何度も振り返った。

家に帰りたくなかったのでホームセンターをウロウロした。

なんと正月価格なのかわからないが、座椅子が五千円以内で買えるではないか。

デスクトップパソコンが置いてある部屋に一つ欲しいと思っていたのだが、贅沢だと思って諦めた。

日用品だけを買ってアパートに向かった。

さほど寒くはなく、手袋が要らないくらいだった。

帰宅してパソコンの前に座ると、温度計が七℃を指してる。

七℃とは思えない暖かさのような気がした。

こたつの必要性を感じないほどだった。

それにしても満腹だ。

あぁ、酒が飲みたいよ。

しかし、一度帰ってくると外出が億劫である。

我慢しようかな、などと思っているところだ。

 

 

この正月は私にとってはストレスが溜まるものだった。

どこにも行かず、ひたすらパソコンに向かっていたような気がする。

いや、正月に始まったことではない。

十一月に怪我してから家で安静にしていることが多かった。

飽きるほど家にいたことになる。

たまに友達と電話することはあったが、黙って家でひたすらパソコンに向かうことは発狂寸前だった。

部屋を片付ければいいのかも知れないと思い、空き缶を捨て、窓を開けて空気の入れ替えをし、デスクトップパソコンの前に積んであった小物などを片付けてみた。

それでも気晴らしにはならず、布団に包まってみたり、またこたつに入ったりして落ち着かなかった。

たまには環境を変えた方がいいような気がしてビジネスホテルを検索し始める始末。

金が勿体無いから大人しく家にいればいいのに、どこか違う空間に移動したい。

恐らく求めているのは太平洋だけではない。

東シナ海なんじゃないだろうか。

北海道で両親は私が来るのを待っているかも知れないが、里帰りは旅行にはならない。

それなら南へ行くべきではないだろうか。

 

 

あまり認めたくはないが、じっとしているのが苦手なタイプなのかも知れない。

だから本やパソコンを持って旅をし続けてきた。

それは単なる生活の手段だと思っていたが、本当は書くためだったのかも。

五年前の日記を読んでゾッとしたことがある。

大して成長していないことに気づいてしまったからだ。

確かに技術的には向上したかも知れないが、面白さや内容については大差がない。

成長していないのではなく、昔から素質があったのだろうか。

いや、昔はなけなしの金を叩いて、よく旅をしていたのがそのまま文章に表れていたのかも知れない。

今読んでみても、情景が浮かび上がるようである。

ネガティブに考えてしまえば、この五年間一体何をやっていたのだろうかと思ってしまう。

ところがポジティブに考えれば、ブレていないことにもなる。

右も左もわからない無知な女だった私は、あらゆる人からボロカス言われたが、一本筋が通っていたとも言える。

五年経たないと到達できなかった場所はきっとあるはずだ。

もっと言うならば、五年前から私が見ていた夢はあながち間違えてもいなかったということになる。

 

『夢はみなけりゃ夢にはなれない』

 

自分はきっとこうなるだろう、ってのは大概当たるものだ。

今年は今が「底」。

全ては「底」から始まって、頂点まで昇ってまた「底」に還る。

目標をクリアする時ってのは、「底」が深かった反動なのさ。