nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

スイッチが入る瞬間

初めて行く店に寄った。

池袋駅前の大衆居酒屋である。

食券機で食券を買うラーメン屋のような居酒屋。

めちゃくちゃ混んでいて繁盛していたが、

なんだか落ち着かなかった。

ハイボールが二百五十円。

お通しもないし、かなり安く上がった。

しかし、肝心の電波がないのである。

地下にある店だったからだ。

私は普段飲みながらスマホ操作をしているので、

なんだか無駄な時間を過ごしてしまった。

写真映えするようなメニューでもなかったので、

写真も撮らなかった。

しかし、不思議な空間だった。

皆が酔っているのに後片付けをきっちりセルフで行うのが滑稽だった。

私はもつ煮、揚げナス、サーモン刺しを食べた。

どれもこれもいまいちだったが、まぁ、安いから許せるレベル。

また行ってもいいが、電波がないのは困るわぁ。

つまり、一人で行く店としては不向きってことだ。

 

 

実はこの日、ノルマ四件に対して六件の数字を出してきた。

でも私ってなんだか腹が座ってきたみたいだ。

どうせ取れない日があるということをよくわかっていて、浮かれることもなく、ただ冷静だった。

嬉しさもなかったし、達成感もなかった。

ただ、こういうのは波があるんだし実力ではなくたまたまだと思った。

少し前の私だったらガッツポーズをしていたことだろう。

それが消え、冷静でいられることに少しばかり安堵を覚えた。

 

 

前にも書いたが、この職場にいると普段気にしないようなことが気になってしまう。

シミだったり、皺だったり、服装だったりだ。

その悩みをなんとか打破したくてせっせと買い物へ行ったり病院に通ったりサプリメントを飲んだりパックしたりしている。

それでも努力と美しさが比例していないような気がしてならない。

ここまで努力していたら、もう少しマシになってもいいのに。

努力しても報われないことは往々にしてあると思う。

かといって努力しないのはこれまた納得行かない。

何故なら期待を捨てきれないからだ。

 

 

会社にこんな人がいる。

知識だけ詰め込んだ頭でっかちだ。

経験もなければそれを使いこなすテクニックもないので空振りばかりしている。

私はその逆で、知識が乏しい割りには経験でカバーしている。

それで今のところは何とかなっている。

知識を身につけたら無敵かもしれない。

勉強すればいいのか?

確かに商材知識は豊富でなければならない。

だがそれだけではない。

やはり顧客心理を掴むことではないだろうか。

そこで私は来月からとある勉強会に参加することにした。

ちょっと今よりも忙しくなるかも知れないが、きっと私のためになると確信した。

さらに、今月より来月の方が仕事もハードである。

高いハードルを越え、確かな納得を手に入れるために、また更に自分を追い詰めることにした。

というのも、休みの日があっても用事がない日は無駄であると気づいてしまったのだ。

それなら会社へ行ったり勉強会に参加したりしていた方がスキルアップに繋がる。

あれ?私ってもっとクズのイメージだっけか?

いやいや、こう見えて勤勉なのだ。

最近誰かと飲みに行くこともなくなったし、

休みも必要無いわけだ。

お陰様で、多少の連勤があっても乗り越えられる。

社畜まっしぐらかも知れないが、それの何が悪い?

男でもできれば休みたくなるだろうから、

それまでは自分のために動く。

 

 

タイミングと云うものはスイッチが入る瞬間のことである。

そう簡単に手に入るものではないからこそ価値がある。

高いハードルを設定しようと決めた時こそタイミングの到来なのかも知れない。

越えてやる、その気持ちがスイッチだ。

外見のみならず内面を磨くとはこういうこと。

ゴールは至ってシンプル。

多くの人が手に入れているのに私には届かないもの。

それを結婚と云うんじゃないの?