いやいや、マジで誘われないからまた一人でプロントで濃いめのハイボールを一杯引っ掛けて電車に乗った。
オクラのお浸しと炭火焼きつくねを食べた。
完全に食べ足りなかったが、一応ダイエットしているので我慢。
寝るだけだからいいや、みたいな。
本当はネギトロ巻きとか、とろタク巻きとか食べたかったが我慢。
空きっ腹でこれ以上飲んだら酔うと思って、一杯で切り上げた。
マジで、私って一生誘われないんだろか。
可哀想な女。
そう思っていたら、辞めた女先輩からお誘いがあった。
来月飲みに行きましょう!って。
嬉しかったけど、正直言って、私が飲みに行きたいのは女先輩じゃないんだなぁ。
かといって自分から誘えない。
でも、来月は私にとっては好運期!
誘われればいいのに。
だからって、女を売るようなこともできず。
将来的に書くことを仕事にしてはどうか?というご意見を頂戴した。
しかし、何となく躊躇ったのは何故だろうか。
きっと私はそこまで自信がないのかも知れない。
とはいえ、生き生きと書ける場所が欲しいな、とも思った。
どうぞ、って言われて、それじゃダメだ、とか言われながら。
それより主導権を旦那に任せて、雇われママのように『蓮’sbar』をやる方が楽しいような気もする。
そう思ってしまう背景には、もうあまり苦労したくないという気持ちもある。
たぶん、私は一人じゃ『蓮’sbar』はできないと思う。
経営に向いているタイプではないと思うからだ。
それより自分の才能や経験を活かして、音楽や酒の選定を楽しむ方が断然楽しい。
確かに私くらいになるとそれだけじゃ物足りないかも知れない。
一応、私の夢としては、『蓮’sbar』の様子や人生観などをコラムにすることである。
昔の昔、『anan』という雑誌にキョンキョンがコラムみたいなものを載せていた。
それを見て、私もこういうことがしたいなと思った。
写真を一枚載せて、文章をくっつける。
まぁ、それは決して有料ではないしギャラもないけどSNSという形で実現していることにはなる。
今の状態に満足しているわけではないけれど、あまり遠くへも行きたくないような気もしている。
かといってこのまま終わっていくのも寂しい。
やはり『蓮′sbar』のママとして、コラムニストにでもなるべきなのだろうか。
それはそれで楽しいような気もする。
遣り甲斐重視とかほざいているのは今だけかも知れない。
今、雇われの身がスペシャル居心地いいのは若いうちに苦労しすぎたか、人生があまりにも思い通りにならなくて悔し涙を流してきたかである。
派遣社員から直接雇用に変わったことは、私の中である意味奇跡でもある。
周りは大して意識していなかったかも知れないが、差別されてきた歴史は消えない。
あの悔しさは忘れてはならないとも思っている。
だからこそ、今に感謝することができるのだ。
『洞穴に落ちたからこそ、この空が青いと思うことができる』
洞穴に落ちたからこそ皆の笑顔が眩しく、空気が美味しいのだ。
昔書いたエッセイの抜粋だ。
つまり、過去と比べてしまえば目に映る何もかもが輝くのだ。
そう考えると、無駄な経験はないし、これで良かったということになる。
それは今想うのではなく、死ぬ時に思いたいような気もするが。
全ては納得の元に成り立っている。
だとしたら、幸も不幸もない。
全部繋がっているのだ。
だから幸も不幸もない。
あの日あの時泣きじゃくったことも、闇の中だと思っていたことも、全ては今に集約されている。
私が歪まず堂々としていられるのは、過去ありきって話。
決して戻りたいとは思わないが、通り抜けてきて良かったのかも知れない。
むしろ、駆け抜けられた逞しさには拍手を浴びせたい気持ちである。