nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

時代の終わり

大好きだったPANTAが亡くなったとのニュースが私の元に届いた。

一人で『天下一品』へ行った帰り池袋駅のプロントでスマホを開いた時のことだ。

そのニュースを見て、私は直ぐに、PANTAを私に叩き込んでくれた謂わばロックの師匠にメールをした。

『ブラッドブラッドブラッド』は、今や私のテーマソングになっている。

毎朝、これを聴いて電車に乗る。

時代が終わったような気がする。

衝撃と悲しみを抱えながらこれを書いている。

私にとってはPANTAはかなり上の世代だが、PANTAと言えば、ロック界のカリスマ。

ロック好きなら知らない人はいないかも知れない。

知らなくとも聞いたことはあるとは思う。

 

 

そんなこともあって、なんだか先輩のこともどうでも良くなってしまった。

というのも、タメ口女と先輩が仲良くしているからだ。

話の内容について行けず、世代のギャップまで感じてしまった。

きっと一回り以上年が下の人はPANTAのことなど知るわけもない。

話ができるのは七十代の人くらいだ。

私ってある意味可哀想。

年下を好きになっても、結局は世代の違いを感じ、上手く行かないのだから。

PANTAが亡くなっても、その話ができる人はいないのだから。

しかも、タメ口女があまりにも負けず嫌いなものだから私はあらゆることを譲ってやることにした。

あんな女と張り合っても仕方ない。

下らなく思えて、営業成績まで譲ってもいいかなと思えてしまった。

私にそんなに勝ちたいのなら勝たせてやる。

私も一種の負けず嫌い。

かといってタメ口女と張り合うのは阿呆らしい。

 

 

念願の『天下一品』は、私の口には合わなかった。

こんなものを皆は美味いと言っているのか?

私には信じられなかった。

スープも麺も、美味しいとは言えなかった。

そこでも、なんとなく『違い』を感じて寂しくなった。

不貞腐れて、プロントで角ハイボールを飲んだ帰り、駅の改札を潜ろうとしたら定期入れに定期券が入っていなかった。

買ったばかりの定期券を紛失したようで、がっかり。

時計を見たら、もう二十二時半になっていた。

これから帰ったら二十三時半を過ぎる。

やれやれ、最悪な日だ。

全ては先輩への恋煩いが影響している気がして、嫌になってしまった。

きっと私には合わなかったんだろう。

一回り以上年の離れた人達は、私の知らない話で盛り上がっているし、やはり年配者らしく、距離があった方がいいのかもな。

そう考えると、やはり私って可哀想だ。

孤独になる運命か?

 

 

てか、常磐線が最終だった。

あと十分でも遅かったら、私は最終列車に乗り遅れるところだった。

危な!

もうヘトヘトに疲れたよ。

早く家に帰りたい!

何やってんだか、私は。

これも何かの運命の切り替わり。

田舎者の私は警戒心が足らず、定期券を盗まれる始末。

鞄を放置して、喫煙所へ行ってたからなぁ〜。

今は昭和じゃないし、ここは田舎じゃないんだから。

ダメだよ、気をつけなくちゃ。

なんだか、生き甲斐をも失った。

しかし、恋を諦めるのは、何者かから解放されたような気もする。

寂しくなったような、楽になったような。

複雑な心境だ。