久々にノルマ達成して安堵している。
だが、気合いを入れている日に限って成績は伸びず、グダグダの日に限って肩の力が抜けていい塩梅なのかも知れない。
ノルマ達成したものの、疲れは日に日に増している。
私のストレス発散方法は、たぶん買い物だろう。
金額は関係ない。
安物でもいいから、金を使うことに快感を覚えるようだ。
「橋岡さんもたまには男遊びした方がいいよ!」
ストレス発散について先輩と喋っていたら、元ホストからそう言われた。
「私、そういうことできないもん!」
「そうなの?」
「うん、できない」
それは本当の話で、すぐ本気になりそうだし、遊ぶという感覚がよくわからないのでこう見えて真面目なのだ。
「橋岡さんギャンブルやらないの?」
元ホストが更に訊いてくる。
「やらない!何が楽しいかわかんないもん」
「パチンコやってそうじゃん!」
「失礼な、一通りやったけどハマらなかった」
一瞬、喉のここまで出かけてやめたが、日記を書いていると言いそうになった。
仕事のことというよりも、その日の精神状態の描写かも知れない。
きっと理解されないか、見直されるか、どちらかだとは思う。
先輩が、本を読めば?と言ってきた。
「やだ!」
「小説でもエッセイでもいいじゃん!」
そういえば、最近本も読んでないなぁと思った。
何もしていないのに、何故こんなに毎日忙しないのだろう。
本当に何もない日常だっていうのに。
帰りの電車の中で、ふと思い出して考えてしまった。
『男遊び』
できないよなぁ〜、純情ぶっている訳ではない。
私みたいにデートは結婚前提じゃなきゃ嫌だ!みたいな感覚の女はやはり重いのだろう。
自分で自分のことを重いと自覚しているから、安易に誰かに近づかない。
そのくせ、すぐに勘違いはする。
ところが冷静になってすぐ熱は冷めるのである。
元ホストから『男遊び』と言われて、ちょっと試されたような気持ちになった。
何かを聞き出そうとしたのかも知れない。
だけど、馬鹿正直な私は、そういうことできないと正直に言ってしまった。
遊んだ経験がない訳ではないが、基本的に私は遊びではないので、遊ばれたと言った方が正しい。
今に至るまで、そんなことを繰り返し、それなりに傷つきながらも『誰か』を探しているのである。
たまには男遊びでもした方がいいのかなぁ?と真剣に考えるところが真面目なのかも知れない。
それと同時に男遊びの一つもできないことが、ちょっと寂しくもあった。
蓮さんに寄ってくる人は、本気か、ろくでもないか、どちらかであると誰かに言われたことがある。
最近の私は、ろくでもない人を寄せ付けないオーラみたいなものが出ているのだろう。
昔のようにストライクゾーンも広くない。
下手したら、ストライクゾーンが狭すぎて、誰とも結ばれないかも知れない。
かといって妥協したら、今までの自分を裏切るような気がしてしまう。
ハァ、男遊びかぁ…