別々の場所へ帰るのが寂しい。
真っ直ぐ帰れって言われたのにプロントに寄った。
元ホストは先輩と共に、隣の会社の社長の家へ行った。
仕方がない、だからプロントに寄った。
飲まずにはいられないのである。
酒飲んで電車に乗るのは怠いけど、それとこれとは別なのだ。
飲みすぎてはならぬと思いながら、三杯目に差し掛かったところでこれを書いている。
今考えていることを書く。
昼休憩は元ホストと蕎麦屋へ行った。
クズな私達は瓶ビール二本を平らげた。
勿論、誰にも内緒である。
ほろ酔いで二人で喫煙所へ行った。
煙草ふかしながら、元ホストはずっと下を向いていた。
あれ〜?!
もしかして酔って何か言おうとしたんじゃないの?
スーパーポジティブな私はそう思った。
私は酔った勢いで甘えたかったのだが、いつ、誰が来るかわからない喫煙所。
私も下を向いた。
蕎麦屋はすこぶる美味かった。
元ホストは隣の会社の社長とたまに来るそうだ。
隣の会社の社長に嫉妬してしまいそうだ。
私にくれよって言いたい。
そうそう、二十七日のデートが早まって二十四日になった。
二十七日は、隣の会社の社長と六本木へ行くそうだ。
仕方ない。
二十四日は社員旅行から帰って来た日。
二人でデートに繰り出していいものだろうか。
責められるのは元ホスト。
女は私一人だからだ。
だけど、私は元ホストの事情も考えず、不動産屋の予約を取る。
そして、夜は元ホストの家に泊めてもらう。
また何もないかも知れないが、それでもいい。
あとは、元ホストの決断待ちってことだ。
男なら、止められないものはないのだろうか。
スーパーポジティブとはいえ、私の魅力について考えてしまう。
私が男ならとっくに襲っていると思うんだけどなぁ。
私の気持ちは独りよがりなのだろうかなんて、いやいや、元々は私のこと好きになってくれたから好きになったわけで。
なぜ、私の方が悶々としなければならないのか。
あぁ、眠たくなってきたよ。
それなのに、もう一杯レモンサワーを注文したクズである。
ほろ酔いじゃなきゃ帰りたくない。
シラフなんかで一人で帰れるほど私は強くない。
隣の会社の社長の家に私も誘ってくれればいいのに。
きっと私がいたら邪魔になるような話し合いなのだろう。
仕方ないよね。
私は終電には乗らなきゃならないし。
皆の前で元ホストの家に行くわけにも行かないし。
うん、仕方ない。
でも寂しいから、プロントに寄る。
自然の原理じゃね?
元ホストがパチンコ屋へ寄るよりよっぽどマシだろう。
私はこう見えてワガママでもある。
ただ、いい女を演じて我慢することもある。
まぁ、その我慢は見抜かれているのだが。
あぁ、なんで私ばかり頭の中一杯なんだよ。
ここだから言うけど、やはり抱かれたかった気持ちが強い。
欲望の問題ではなく、確信が欲しかった。
そんなこと元ホストだってわかっているはずだ。
だって、一緒に泊まって抱きもしない男を見たらイライラするでしょうに。
何考えてんの?
ってなるでしょうに。
クズなんで三杯目のレモンサワーを搔っ食らう。
案外酔わない。
元ホストに連絡したいけど、ウザいと思われても嫌だ。
二十四日は社員旅行の帰りだから、池袋で服買ってから元ホストの家に行こうかな。
そうだ、それがいい。
全く、ハラハラだ。
とはいえ、私はまだ元ホストのものになっていない。
そんな男はやめとけよって言う男もいない。
やはりやがては元ホストのものになる運命ってヤツだろうか。
蓮の花の入れ墨入れてほしいなぁ。
どうせ全身に入っているんだから。
そしたら私も元ホストの名前を彫ってもいい。
何をどうすれば、そういう仲になれるのだろうか。
私の努力が足りないとすれば何だろう。
いやいや、お前が覚悟決めて努力しろよって話。
こんな気持ちは、お互い様なのだろうか。