五連勤明けだったせいか、死ぬほど疲れていた。
それでも元ホストと不動産屋へ行く約束があったので、早起きして赤羽へ向かった。
元ホストは前の日も飲みに行っていた。
朝から吐きまくっていたそうで、十分遅刻してきた。
お互いに死ぬほど疲れていたので、十八時には解散した。
それでも不動産屋で契約して、居酒屋へ行って、スロット打ちに行って、ラーメンも食べてきた。
十八時に解散なんて寂しすぎると言いたいところだが、私は体力の限界を迎えていた。
スロット打ちながら、あくびが止まらなかった。
こりゃダメだと思った。
疲れすぎると愛も恋もないのだとわかった。
家に帰って洗濯して投稿書いて、ゆっくり寝たかった。
元ホストも元気だったら私の家まで来たかも知れないが、相当疲れていたようだ。
だからラーメン屋を出たら、駅まで送ってもらって帰ってきた。
あんなに楽しみにしていたデートなのだが、歳に勝てないのか、それともよほど疲れていたのか。
一人家に帰ってきても、しばらく動けなかった。
それくらい疲れていたってことだ。
言うまでもなく、また私と元ホストは手も繋ぐこともなかった。
中学生のようなデートをして、終わった。
そうそう、今までやってきた勉強会を続けることにした。
元ホストからは大反対されている。
元ホストはこう見えて、案外独占欲が強く、ヤキモチ妬きであることがわかった。
私の意識が自分以外に向けられることが、堪らなく嫌なようだ。
だったら、私が飛んで行かないようにすればいいいのに、誰よりも臆病なようだ。
私に手を出す勇気もないくせに、独占欲があるなんて。
私は私で、元ホストに従順でいることを取るか、自分の人生を取るか散々悩んだ。
結論から言うと、私はどちらも選ぶことができなかった。
だから、元ホストとは関係性を絶たないけれども、勉強会も辞めないという選択をした。
元ホストにはしばらくは言わないつもりだ。
しかし、時が来たら言おうと思っている。
なぜかって、やはり元ホストには正直でいたいから。
怒られても何してでも、元ホストのせいにしてやろうとも思っている。
はっきりしない態度、段階を踏むと言いながら手も繋がない意気地なし、私の自信をはぎ取る愚か者、とね。
勉強会を続けようと思ったのは、やはり先生の存在だ。
恐らくこの世で一番私のことを心配してくれているように思う。
そういう人を自らの手でぶった斬ることはできない。
かといって、元ホストと『信頼』を育みたい。
もしかして、私って最低なのか?
元ホストが傷つくとわかっていることをしておいて、信頼だなんてちゃんちゃらおかしいのか?
でも何のための勉強会かと云うと、会社で数字を上げるためでもある。
回り巡って、元ホストのためになるのだ。
ここ最近私が数字を上げられなかったことを、元ホストはあまり気にするなと言う。
蓮ちゃんなら大丈夫だよ、って。
俺がいるから大丈夫だよ、って。
自立しているようでしていない私のことに関してもそうだ。
俺がいるから大丈夫だよ、って。
とにかく蓮ちゃんは自分に自信を持って、身体を休めて欲しいのだそうだ。
ぶっちゃけ私はコミュニケーションを極めたいのである。
コールセンターを極めたいのではない。
だけど、日本一売り上げる海産物屋にはなりたい。
いや、違うね。
元ホストの隣で、仕事をしていたいだけかも知れない。
この会社に元ホストがいなかったら、会社のことなどどうでもいいのかも知れない。
あぁ、私ってヤツはどこの会社へ行っても上司と恋に落ち、上司に認められたいがために成績を伸ばす。
でも、いい加減そろそろ落ち着きたいってのもある。
きっと元ホストもそう思っているに違いない。