nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

アイラブユー

誰もいない部屋に帰るのが日常的になっている私。

そんな私にとって、チバユウスケは心の友のようであった。

若かりし頃はジムニーの中でチバユウスケのシャウトを聴き、帰宅してからもまた聴いた。

今でも色褪せないのは、やはり彼は天才だったんだろう。

だけどこんなに若くして…。

訃報を知ったのは、昼休憩の時。

ただ、落胆し、茫然としていた。

今冬は何か嫌なことが起こりそうな予感はしていたが、まさかのまさか。

大好きだった人がいなくなってしまった。

しかし、音楽を残してくれた。

はっきり言って好きな芸能人は一切いない私。

唯一の存在がチバユウスケとハリー。

チバユウスケには一度も会うことができなかった。

ライブへも足を運ばなかったのには理由がある。

殴られてもいいから正直に言うと、一対一で会えない現実を突き付けられるのが嫌だったからだ。

私ってそういう勘違い野郎である。

あぁ、会ったら発狂していただろうな。

ぶっちゃけあんなにカッコいい人を見たことがない。

まだ、本当は信じられない気持ち。

ただ、心からご冥福をお祈りします。

 

 

 

数字は上がった。

83800円!

でも一日中チバユウスケのことを考えていた。

だから数字が上がっても嬉しくなかった。

先輩に事務作業を教えてもらったが、私が予想以上に出来が悪いことから、先輩もキツい口調になっていた。

そのことを元ホストに叱られていた。

 


「お前、蓮ちゃんにキツすぎるぞ!」

 


それを言われた先輩は、私に謝ってくれた。

 


「キツい口調で叱ってごめんね」

 


いやいや、責任感の強さの現れだと言った。

私くらいになると、キツく言われることくらい慣れっこである。

だから全く気にしていなかった。

元ホストだって、私にキツく当たるクセに。

 

 

 

元ホストは明日は休みをもらっていた。

何かあったのかとすこぶる心配で、元ホストに訊いた。

本当に何もないとは言っていたが、スロットで負けすぎたか、仕事が嫌になったか、それかボロ勝ちしたか。

いつも心配していると伝えたら、お互い様だよと言っていた。

やる気のない元ホストを見て悲しくなった。

いつも私を引っ張ってくれる存在でなければならないのに。

まぁ、数字はきっちり上げていたけどね。

 

 

 

悲しみに更けている私は、何とかして元気出す必要があり、定食屋の『福しん』で、麻婆豆腐を食べた。

ところが何の慰めにもならず、やはり、チバユウスケのことで心にポッカリと穴が空いたような気分。

時間と共に、ジワジワと、喪失感に包まれる。

誰かと飲むのも違う、やはり、また明日からチバユウスケが残してくれた楽曲に支えられて生きるのみ。

とはいえ、この人生に於いて、あんなに素敵な人はもう現れないだろう。

強がっていないでライブへ行けば良かったのかも。

ただ、発狂していたかも知れない。

一度でいいから言われたかった。

そして、私も言いたかった。

アイラブユーと。