美容室でカット、カラー、トリートメント、縮毛矯正をして気分がいいので赤羽の街をウロウロしていた。
想像していた以上に給料は良く、美容室は安かった。
だから回転寿司に入った。
当然の如く生ビールを頼み、いつも通りにホタテ、サーモン、寒ブリ、そしてウニを食べた。
本当はすしざんまいに行きたかった。
ところが年末の夜ということもあって行列ができていた。
結局、人気がない方の回転寿司に入った。
この一年稼げますようにと祈りを込めて。
しかし、人気がないだけあって、ウニがイマイチ。
食べようと思えばもっと食べれたが、ここで無駄金を使うより、翌日元ホストと美味いもの食べた方がいいと思った。
美容室は想像以上に良かった。
五年間通った美容室に行かず、新しい美容室へ行くのは多少なりとも罪悪感があった。
私は実は二十年近く男性美容師さんに髪をやってもらっていた。
富山でも、札幌でも、千葉でも、埼玉でもだ。
何故なら店長さんを指名していたからだ。
ところが今回はフリーで入ったら、女性スタッフが私を担当した。
お手洗いへ行くタイミングなど、細かいところまで気を配ってくれて、大満足だった。
予想より遥かに安く、これなら通えそうだと思った。
次回はインナーカラーをしようかと考えている。
ただ、傷むことを考えたら、このままサラサラヘアを維持した方がいいかも知れん。
悩むところだ。
スペシャルなトリートメントを施して良かった。
帰り道コンビニに寄ったらレジの店員さんからこう言われた。
「お姉さんすごくいい香りがしますね!」
昨日も言ったが、元ホストは元ホストのくせに私を褒めることをしない。
だから女としての自信を失いかけることがある。
隣の会社の社長にせよ、コンビニの店員さんにせよ、嬉しい言葉をかけてくれる人に感謝である。
元ホストは私のことを不器用だと言うが、元ホストとこそ不器用である。
私のことをどう思っているのか一切口にしない。
でも、三十日はデートだ。
サングラスを買いに行ってくる。
そして、その後スロットを打ちに行くことになっている。
今日は元ホストから返信が来ないから、隣の会社の社長とスロット打ちに行っているのだろう。
そして、スマホの充電がないのだろう。
もうね、大体の想像が付くのだ。
私が一切怒らないのをわかっているのである。
ただ、私は先日不満をぶちまけたことを少しばかり反省している。
言ってしまったものは仕方ないからぶった斬ればいいのかも知れない。
しかし、傷つけてしまったとしたらやはり悔やむ。
ただ、正直に言ったまで。
俺のこと信じてくれてないんだ、と、なっていなければ良いのだが。
自宅の台所でレモンサワーを飲みながらこれを書いている。
来年はどんな一年になるだろう。
元ホストは変わらず、私と一緒に独立したいと言っている。
社長が私で、元ホストは取り締まる人だそうだ。
私は今まで以上にデッカい器で以って、元ホストを包まなくてはならないのか。
私は本当は甘えたいのになかなかそうも行かない。
神は私に何を要求しているのだろうか。
長女として生まれ、長女気質全開で生きてきた私。
できることなら解放されたいがゆえ、歳上ばかりを選んできた。
ところが元ホストは二個上である。
私が大人にならなきゃならないのかなぁ〜。
母性、少女性、そして不良性。
私に欠けてるものなんて無いはずなのに、自信持っていられないのには原因がある。
それはやはり元ホストの指導の仕方だと思う。
私はもっともっと良い男になって欲しいから、敢えて攻撃的になることもある。
不満をぶちまけたのもそういうこと。
私には自信を持って欲しいと元ホストは言う。
それなのにスパルタで、褒めないのは、やはり元ホストが不器用なのだろう。
もしくは、私からナメられることを恐れているのか?
そんなこと絶対にしないのに。