終日打ち合わせだった。
詩集制作を手掛けているのだが、レイアウトに苦戦していて、こんなに時間が掛かるとは思ってもみなかった。
しかし、今後の仕事のための非常に良い勉強になっている。
横書き、縦書きのレイアウトを、既に出版している詩人さんの電子版を参考にしたり、私の方でアレンジしたり。
まだそんなことをやっているのかと思う方もいるだろうが、ここ最近は職探しで全然手が付けられなかった。
でもまだ二週間ある。
それにしても、詩集電子版制作を私はナメていた。
原稿を活字にして写真を挿入して、目次を作ってそれで終わりだと思っていた。
ところが電子版にすることにより、Wordとは全く違う文字サイズになったりレイアウトが崩れたりするので、なかなか大変な作業だ。
しかしここは意地で仕上げようと思っている。
今月末までは詩集にエネルギーを注ぎ、来月に入ったら『ロックンローラー』の執筆に移行する。
あれもこれも同時にすることはできない。
こうなったら、出版済みの詩集などを参考にして、良いものに仕上げよう。
この作業は今後多いに役に立つ。
全ては繋がっている。
寧ろ、良い経験を私に与えてくださった詩人の方に深く感謝するべきだ。
実は詩人の方とは非常に仲の良いお友達なのだ。
月一で酒を飲み交わす仲で、何でも相談できる数少ない友達の一人だ。
彼女はさほどロックが好きでもないし、私とは生い立ちも違う。
それでも何年も仲良くさせて頂けているのは何故だろうかと考えてみた。
それはお互いに無償の愛で接していることが一番だと思う。
ただ、それだけではないと思った。
どういうことかと云うと、彼女が持っている奉仕の精神について、私はそこがたまらなく好きだということだ。
簡単に言えば、優しさだ。
極めて人間を大切に扱うことができる人なのだ。
だから私が少々生意気な口を利いても、赦してくれる。
そんな彼女に対して何かできることはないかと考えた時、詩集の電子書籍のことが思い浮かんだ。
そこで、彼女に話を持ち掛けてみたのである。
すると、彼女はとても喜んでくれてこの話は成立したわけだ。
私が自分の想いを一冊の本にしてみたことが人生を大きく変えてくれたように、彼女にとってもこの詩集が一つの転換になってくれればいいなと思っている。
もし、この詩集を手に取ってくれる人がいるならば、彼女の優しさと繊細さを受け取って欲しい。
打ち合わせでは、「あぁ、この人は人間に対して深い優しさを持っているのだな~」と心底想うことができた。
彼女にとっては些細なこと、又は、当たり前のことかも知れない。
しかし、流石の私でも人間に対して彼女ほど優しくなることは不可能だ。
私は人を許すことに関しては得意だが、苦手なことは気配りだ。
本当に気の利かないヤツなのだ。
それは自己中なわけではなく、一つのことに集中したら周りが見えなくなるのである。
彼女とドトールを出て、雨の中バス停に向かって歩いていた時、彼女が傘を差していたかどうか確認するのを忘れた。
なんて、私は愚かなのだろう。
バス停に並んでいる列の中にまさか旦那がいないだろうなとハラハラしていて、そっちに気を取られたのだ。
ちょっとした自己嫌悪のまま、帰路に就いた。
蔓延防止措置下でなかったら酒が飲みたかったが、テーマはノンアルコールビールで酔うということだった。
一滴も酒を飲まないで会うのは初めてだったかも知れないが、とても有意義だった。
もうひと踏ん張りして、詩集を完成させよう。
そして、彼女も私もハッピーになって『ロックンローラー』の制作に入ろう。
そう思った。
もうあと二週間だ。
六月発売を予定しているので、楽しみにしていてくだされ。
私もいよいよバイトが決まりそうだ。
全部受かったら、どこへ行こうかと考えている。
ぬか喜びする前に、履歴書作成を頑張ろうと思う。
先ずはそれから、かな。