nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

のこのこと…

決めてきました!!

 

と言いたいところだが、言いくるめられて帰って来てしまった。

どうしても橋岡さんには辞めて欲しくないと言うのだ。

何故なら、私の退職について非常に残念がっている人が大勢いるとのこと。

仲間と店長のことをもう一度信じてもらえないか?ということだ。

パン屋にはもう関わらないでいいから、今度はお惣菜コーナーで活躍して欲しいという話。

時間帯や休日の条件は今まで通りでいいということだった。

 

「いやいや、店長。私は気持ちが辞めるということで固まっているんですよ」

 

そう言ったが、店長はひたすら頭を下げて残って欲しいと言っていた。

結局話は平行線。

二週間猶予をあげるから、考え直してくれ。

そう言われて、のこのこ帰ってきてしまった。

二週間後に考え方が変わるのかなぁ。

いや、変わらないと思う。

 

「とにかくゆっくり休んで、朗報を待っていますからね!」

 

だって。

 

 

何故私がのこのこ帰ってきたかというと、私が辞めることに対してお総菜コーナーの人達が残念がっているという話があったからだ。

実はパン屋に入る前の三十分ほど、お総菜コーナーの品出しを手伝っていた。

そこでは、値引き洩れ商品などを発見しては有り難がられていた。

 

「橋岡さん、いつもありがとうございます!」

 

私はちょっとしたヒーローだったのだ。

 

「橋岡さん、今日も宜しくね!いつも助かっています」

 

そうやって声を掛けてくれるメンバーだった。

私は店長からお総菜コーナーへの部署異動の話をもらった時、正直言って悪くない話だと思った。

優柔不断でゴメンよ。

 

 

問題は、私の本職は本の制作だということだ。

自分の著書のみならず、お客様の本の編集・校正・プロデュースを行っている。

パン屋のバイトを始める前は、三年程そんなことをしていた。

何故、パン屋のバイトを始めたかと云うと、出版費用を貯めようと思ったからだ。

今までのお客様は、実用書、エッセイ、詩集と様々だ。

ここ最近では『自分史』を出したいというお客様がいらっしゃる。

今年の十二月クリスマスイヴに発売予定で、原稿を煮詰めている段階だ。

ぶっちゃけ、パン屋のバイトを始めてからせっかく順調だったそれらの仕事に掛ける時間が極めて少なくなってしまった。

ロックンローラー』も今月出版に間に合わなかった。

来春に延期したものの、この日々のハードさを考えると不安がよぎったというのが事実。

かといって、私なら徹夜してでも書き上げるのだが。

 

 

そんなこんなで二週間休みをもらった私は、何とも煮え切らない想いだ。

人間の笑顔とか、悲しみとか、心情とか、そういうものに極めて脆いのである。

お総菜コーナーの方々が残念がっていたと云うのに心を痛めてしまうのだ。

私ごときを必要としてくれる人もいるんだなぁって。

てか、私、騙されてるよね?

情に脆い私は、こうして色んな局面で騙されるのである。

まぁ、編集・校正の仕事が増えれば事実上バイトは困難になるわけで。

だけど、必死になって繋ぎ止めてくれる店長や、私の退職に落胆する人々に感謝した。

なんだか良くわからないけれど、有り難いなと思った。

ただ、自分の仕事が忙しくなりそうだ。

目と鼻の先にあるスーパーだが、涙なみだのお別れになるのだろうか。

私という人間は、何かにつけて全てのことにドラマがあるのである。

この性格が嫌になっちゃうが、次々とトラブルや問題が発生する女なので、二週間先どうなっているかわからない。

まず、店長が言うようにとにかく今月は休む。

そして、来月から本気でどうするのか決めるということにする。

答えが先延ばしになって申し訳ないが、今の私には決められないかも知れない。

お総菜コーナーのパートやっていても、何のスキルにもならないのだが。

かといって一日中パソコンに向かっていてもネタが生まれないような。

悩むということは、本職にも金銭的にもどちらにも余裕があるということかも知れない。

切羽詰まったら、答えは簡単なのに。

さて、困った。

 

 

インスタLIVE配信

10月21日(木)

20時半〜

『蓮's BAR』