nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

黙って見ていればいい

寒かったが快晴だった。

薄手のペラペラのコートに耐えられず、グレーのダウンコートを羽織って法事に参加した。

結論から言えば、めちゃくちゃ気疲れした。

しかし、私が離婚を決めてから義母に会うのは初めてのこと。

恐らく義母は、最初から私を見て、いつかいなくなってしまうのではないかと思っていただろう。

『破壊から再生へ』やそれ以前のものも読んでもらっている。

私の本心や性質のようなものは大体わかっている。

幼少時代のことや、私が居場所を探していることや、理解者を求めていることなど。

私が本当に求めている人は、自分の息子ではないととっくに知っているはず。

私自身、結婚してすぐにこの人ではないと気付いてしまった。

それでも三年間半の月日が流れ、私と義母はすっかり仲良くなることができた。

古着やらお酒やら、色んなものをもらったし、一緒に買い物をしたりすることもあった。

だから、法事で義母に会って話をしていると、今までのことが走馬灯のように駆け巡り、非常に申し訳ない気持ちになった。

ここまで来ると、旦那を責める気持ちは湧いてこない。

世話になったな、と心から感謝するのみだ。

 

 

確かに私はわがままかも知れない。

結婚したのに、自分の夢や理想を追いかけている。

そして、いつだって本当のパートナーを探している。

起業したことも、一切旦那には相談しなかった。

私の仕事に関してはノータッチな人だからだ。

旦那は、知人や同僚に私の本を紹介することすらなかった。

たった四ヶ月間だったが、パン屋のバイトを辞めたことで、一気に運気が変わった。

旦那はパン屋に限らずパートをして欲しかったようだ。

外部に意識が向いて行動的になっている私より、手の平の中に納まっていて欲しかったわけだ。

ここが意見の食い違うところ。

私は広い世界に向かって発信していきたいという想いが強い。

それを応援してくれる人じゃなければ、成り立たないわけだ。

そりゃ、可哀想だと思うよ。

私みたいな奇人変人と一緒になれる人はそうそういないというのもわかっている。

よほど懐が深くて、完全なるサポーターになってくれる人じゃないとダメだ。

かといって、今の旦那のように一緒にいるだけでは意味がない。

お互いが成長できて、支え合えて、安堵を得られるのがベスト。

義母は、自分の息子にそんな甲斐性は無いことをとっくにわかっていると思う。

 

「お義母さん、実は離婚させて頂くことになりました」

 

どこかで会って、旦那抜きで話をした方が良いのだろうか。

それとも、黙って消えてしまった方が良いのだろうか。

その辺は私にはわからない。

何度も何度も、義母が生きているうちはと考えたのだが、私は義母のために生きているのではない。

ましてや、私が生きるスピードって云うのは恐ろしく早い。

毎日読んでくれている方々までもが着いて来られなくなるレベルだ。

何を考えているのかわかってもらえないかも知れない。

願うことはただ一つ。

もしかしたらこの世にはいないかも知れない最愛のパートナーを得て、その人のために生きるということだ。

欲を言えば、その人には永遠の読者でいて欲しい。

仮に、誰も私の文章を読まなくなっても、たった一人読んでくれる人がいれば私は心強い。

 

 

この手の話は、何度も何度も書いている。

神様は私に一体何を求めているのだろうか。

それさえ私が見えれば、怖いものは何もないのだが。

きっと私のことだから、ガタガタ震えながら離婚届を差し出すだろう。

 

 

誰かが言っていた。

物事は、上手い下手じゃない。

度胸があるかどうか。

私より上手い人は五万といるが、度胸では負けない。

技術職専門になるのか、起業しちゃうのか。

その辺が分かれ道だそうだ。

無一文で家を出るのは、馬鹿のやることかも知れない。

しかし、誰にでもできることじゃない。

笑う人がいるならば、黙って見ていればいい。