地獄のような日は続く。
さっきまで感動の涙を流していた私。
なぜなら、友達が粋な計らいをしてくれたからだ。
さぁ、涙を拭いてこれを書こう。
なんだかんだで、私にとっての精神安定剤は酒ではなく「書く」ことにある。
こうしてパソコンに向かっている時が最も平穏が得られる時。
ずっと閉めっ放しだったカーテンを開けた。
空は青く、風もなさそう。
木々や電線が揺れていないのを確認した。
それでも外に出なかったのは、どこへも行かずに書けと言われているような気がしたからだ。
案の定、電話が鳴った。
そして書くことを命じられた。
「今しか書けないものがあるように思う」
私って良くも悪くも、人を恨めない体質。
嫌がらせをされても、その人は私のことが好きなんだと思うタイプ。
だけど、自分がされたことは本当は忘れてはならないと友人は言う。
モラハラを振りかざし、ネチネチ追いつめていたことは事実。
それなのに、どうして愛おしさみたいなものは消えなかったのだろう。
いやいや、連日の悪夢に影響を受けすぎだろう。
『ロックンローラー』の制作が終わって、今が一番辛い時期。
そう思っていたけれど、書いちゃえばいいと言われたらそんな気にもなる。
パソコンに向かっていると、まだ寝顔を覚えているうちに書いてしまわなければならない使命感に駆られたりする。
結局私って人間は、これしかできることがない。
チバユウスケも言っていた。
「ヒーローは孤独で泣き虫」
勿論私はヒーローでも何でもないけど、ヒーローも孤独で泣き虫な存在なんだとわかったことに安堵を覚えた。
決して私だけではないんだってね。
あのヒーローでさえ泣き虫なんだったら、私がたまに泣くくらいむしろ人間臭くていいだろう。
自分の強さなんて誰がわかるのだろうか。
一人では弱さばかりがクローズアップされ、強さには目が行かない。
無論、強さ=良いところとは限らない。
圧倒的な弱さが最大の美点だということもある。
私で言えば、どこだろう。
人よりも人恋しさを持っているところかも知れない。
温もりだけを求めて生きているのに、それは遥か遠く。
だけど、何事も一つずつしか手に入らない。
理解者を得た私が温もりまで一気に手に入るわけがない。
昔を見てごらんよ。
たった一人の読者もいなかったんだから。
人生終わらせたくても、そう簡単には終わらない。
しかも『ロックンローラー』に共感してくれて応援してくれる人が現れるかも知れない。
とにかく、泣きながらでいいから、前に進もう。
地獄のような日。
それは退屈という名の悪魔が私を襲い、意味もなく誰かを求めてしまうような日。
一番楽な相手に飛び込むのは最大の逃げであると、私は知っている。
しがらみもなく、責任もない。
そういう人にぶら下がっているのは楽なんだけど、私はもう逃げて許される年齢でもない。
どうせなら、相手の将来まで考えたいというのが私の本音。
そういう気持ちは重たいのかな?
そもそも私の存在は重たいだろう。
ゼロか百かだからだ。
とはいえ、失ったグレーのバッグを抱えて歩こうとしているのだけれども。
地獄のような日、いっそのこと雨だったらいいのに。
あいにく今日も晴れるとの予報。
どんよりとした雲の下、雨に打たれている方が気が楽だったりして。
私などは、その時その時で、思い付いたことをそのまま書いている。
それが時には誰かを傷つけているということも知っている。
好きだからこそイジメたくなる人の気持ちはわからなくもない。
きっと気持ちを確かめたいんだろうな。
臆病者の私がそうであるように。
地獄のような日は、たまに訪れる。
大仕事を終えた後の数日間がそうだ。
身体はウズウズしているし、やる気もあるんだけど、タイミングじゃなかったりして。
あ~、そんな時は、妄想に浸って飲むしかないよね。