nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

神が教えてくれた

五時に起きて、大急ぎでタクシーを飛ばして東京の夢の島へ行った。

ギリギリセーフで間に合った。

やはり到着は私が一番遅かった。

久し振りの方もいれば、初めましての方もいた。

顔馴染みのメンバーとはいえ緊張するのは私の特性みたいなものだ。

早朝はとても寒かったが、昼過ぎには気温が上がり、体調を崩さずに済んだ。

何をしていたかというと、船に乗って釣りや船の操縦の体験をした。

酔い止めを飲んでいたせいか、酔うこともなかった。

私としては船の操縦が一番楽しかった。

すっかりペーパードライバーになってしまった私にとっては、久々の「運転」だった。

船と車じゃ全然違うかも知れないが、愛車だったジムニーを思い出さずにはいられなかった。

加速してみましょうか?と言われ、レバーをMAXにした時は、高速道路を走っている気分だった。

このスピードで他のボートにぶつからないのかと心配だったが、ハンドルを握っていると、意外と大丈夫だった。

私はこんな感覚で、富山県から各方面へ移動していたのだなと感慨深い気持ちになった。

そして、また運転したいなぁと考えた。

勿論、維持費が掛かるし駐車場がないので、物理的には不可能なのだが。

いつか田舎に引っ越すことがあれば、ジムニーを買うだろう。

それを目標に頑張ろうか、などと考えながら海を後にし、電車に乗って帰宅した。

船酔いはしなかったものの、やはりヘトヘトに疲れた。

極めて薄い水割りを飲み、疲れを癒しながらこれを書いている。

 

 

また、同乗した仲間達との会話も私にとっては楽しいひと時だった。

話かけられることがこの上なく嬉しかった。

私からはなかなか話しかけられなかったので、尚のこと。

人間の温もりを感じたと言っても過言ではない。

愛との接点、かな。

何せ、海からも多大なるパワーをもらった気がする。

船のスピードが上がるにつれ、過去のものを全てぶった斬っているような感覚が私を襲った。

そうか、私が好むものはスピードなのだと思った。

忍耐を求められる釣りではなかった。

スピードが精神を解放してくれるような、そんな気がした。

実際の速度はどうだっていいのだ。

例えば、ジムニーで八十キロ出したら、普通の乗用車の百二十キロ以上の体感がある。

だからジムニーの運転は楽しかったのかも知れない。

未来は未知なるものである。

出会いだって未知なるもの。

この仲間達に出会えたのも、本当に不思議なことだ。

結局、未来とは予測が付かないもの。

海を船に乗ってかっ飛ばしていると、過去のことなどどうでもいいような気がした。

もう前に進むのみである。

そのように、力強く何者かに背中を押される感覚を覚えた。

 

 

さてさて、そんなわけで、貴重な体験をした一日だった。

船に乗ったことは何度かある。

若い頃、小型ボートを持っている知り合いがいたりして乗せてもらったことがある。

その他、富山から苫小牧までのフェリーは何度乗ったことかわからない。

レンタカーじゃ面白くないのだが、カーフェリーで北海道へ行きたいような気もする。

一人で行ってもいいし、誰かと一緒でもいい。

せっかく北海道へ行ったら、美国でウニが食べたいよなぁ。

そんなことまで考えてしまった。

ただ、今回の私はセンチメンタルではなく、自然の力強さを感じて帰ってきた。

疲れていても、気持ちは元気だ。

もしかしたら、私の運命って変わるんじゃね?

そんな予感すらしてしまった。

要は、運命がちょうど切り替わるタイミングで私は海に来たのだと思うことができたのだ。

また忙しい日々が少々続くが、それを淡々とこなそう。

私にとって新しい日が始まったんだよって、神が教えてくれた一日だった。

もうステージはとっくに切り替わっているんだよって。

頭上からガンガン、叩かれるようにそう言われた。

本気で良いことあるかも知れない。