やはり親子である。
というよりは、道産子魂を感じ取った一日でもあった。
まずは、父さんの飲みっぷりの凄さ。
ランチに北千住の回転寿司へ行ったのだが、ビールジョッキの後、日本酒を二合ペロリと平らげていた。
たらふく寿司を食べた後、買い物へ。
アメ横まで足を延ばした。
やはり私の酒好きは、父さん譲りであった。
恐るべし、酒の強さ。
七十代とは思えなかった。
早めの夜ご飯は、居酒屋へ。
北千住で一番有名な店に入った。
ところが、酒も食べ物も大したことなく、なぜその店が流行っているのかさっぱりわからなかった。
店を変えようか?と訊いてみたが、面倒臭いからこのままで良いと言っていた。
そういうところも、やはり親子だなと思った。
私は父さんと別れてから自宅でセミナーがあったので、あまり飲まなかった。
それなのに、やはり少々酔っていたようだ。
私の目に飛び込んできたのはこれ。
「札幌味噌ラーメン」
この文字に釣られ、店内に入ってしまった。
そこで出てきたラーメンのなんと不味いこと。
全くお腹が空いていないのに、酔った勢いで嫌々平らげた。
死ぬほど、腹が苦しい状態で帰宅。
今も尚、胃がもたれている。
腹をさすりながらパソコンに向かってこれを書いている。
それにしても、クタクタだ。
最近ワインを飲んで寝てしまうパターンが多いので、今日は飲まないぞ。
あまりにもクタクタだから、飲まなくても眠れそうだ。
約二年振りに父さんに会ったのだが、変わった様子はなく、むしろ若返ったように見えた。
身体に悪いところも全くないそうだ。
ザルのように酒を飲む父さんだが、肝臓も問題ないとのこと。
なんだか私も七十歳まで生きられそうな予感がした。
父さんと一日過ごしてみて、父さんとの時間は気楽だなと思った。
私に色々気を遣ってくれて、買い物も楽しむことができた。
六月は父さんの誕生日なので、何を買おうか検討中だ。
父さんとしては、私に対する心配は「ゼロ」だそうだ。
にっちもさっちも行かなくなったら、北海道へ帰ってこいと。
それまでは好きなだけここにいろ!とのことだった。
だから私は納得がいくまで一人で頑張ろうと思う。
離婚したことも、良かったと言ってくれていた。
細かいことは、父さんの心配には及ばないようだ。
母さんは、食生活のことなど、色々心配してくれているが、父さんはある意味腹が据わっている。
その姿勢は、私としては心強いものがあった。
世の中には帰る場所がない人が大勢いる中で、私にはそれがあるということが贅沢だよなと感じた。
父さんも元気そうなので、また一緒に酒を飲むこともできるだろう。
私も元気でいなくては、そう思った。
親子が十年以上ぶりに再会し、こうして酒を楽しめるようになったのは、私の運命がいい方向へ向かっている証である。
約四十年間の闇は一体何だったのかと思うほど、パーッと晴れてきた。
一つ一つ物事が好転しているのが、自分でもわかる。
私は歳を取ったが、親が元気であるというのは本当にありがたい。
最大の味方がちゃんと健在であるという安心感は、私を益々強気にさせてくれる。
まだまだ何かにチャレンジしても許されるような、そんな気がした。
『ロックンローラー』は発売したばかり。
まだ全ての方にお送りできていないが、読破した方から感想を戴いている。
もっと言うならば、やはり『ロックンローラー』を書き切ったことで、更に私の運命は良くなっているのだろう。
実は、私は来年からしばらくの間、好運期に入る。
活動を始めた中で、この三、四年間は低迷期だったため、非常に苦しい想いをした。
たった一つ言えることは、それでも活動を止めなかったこと。
それが大きな力となって、これから更に伸びて行くことだろう。
両親に笑って報告ができるように、益々頑張ろうと思うことができた。
自宅では、酒を控えなくちゃね。