nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

夢は見るだけでもいい

スターリンを聴きながらこれを書いている。

めちゃくちゃカッコいい!

それにしても、めちゃくちゃ寒い一日で遂に暖房を入れてしまった。

秋を通り越して冬になったみたいだ。

秋服をどうしてくれるんだ!

パソコンの温度計は十二℃。

冬じゃん!

こうも寒くなるとぬくぬくの毛布とか、羽毛布団が欲しくなる。

十月一杯はエアコン無しで過ごせると思っていたのに、ダメだな。

リハビリセンターは勿論、病院内は暖房が効いている。

それでももう半袖では寒いみたいだ。

暑いよりは寒い方が体力は消耗しない。

かといって寒いのは嫌や~。

 

 

帰りの満員電車の中で考えたことがある。

それが帰宅後のスターリンのパンクが後押しする。

私って調子がいい時は強気なのではなくて、確信するんだよな。

勿論自分の未来をだ。

だが、先日話した車椅子生活を余儀なくされた作家志望の利用者さん。

自分は歩けるようになると確信しているのだ。

つまり、私と一緒で根拠がないわけだ。

上司である先輩からは、転倒のリスクがあるから無茶させないようにと重々言われている。

しかし、私にはその利用者さんの気持ちがわからなくもない。

そして私にこう話すのだ。

 

「歩けるようになったら昔好きだった男に会いに生きたいの」

 

つまり夢見る夢子なんだろう。

どちらかと云うと、私もそういうタイプなので応援したくなる。

思考は現実化するということを信じているので、きっと私も利用者さんも夢が叶う!と思ってしまう。

ところが冷静な第三者から見ると、根拠のない話を夢見ている人間のことに呆れてしまうのだろう。

え?っていうことは、私が新人賞を取ると言っていてもシラケてんのかな?

 

 

ただ、先日も書いたが、一寸の曇りもないことが叶うようにできていると思っている。

利用者さんは自分が歩けるようになると、思い込んでいるのである。

そして昔好きだった男に会いに行きたいのだ。

泣けてくる話じゃないか。

勿論、介護士の立場からすると、無茶はさせられない。

とはいえ、歩けるようにならなくても昔好きだった男に会いに行って欲しい!

私が男なら抱きしめてやる!

それにしても、言っていることが私に似ていると思わないか?

めちゃくちゃ似てるでしょ!

てことは、私も傍から見れば「痛い」ってことだ。

やれやれ。

私から見れば、この利用者さんは純粋なんだと思う。

私は会いたい男いるかなぁ。

会おうと思えば会いに行けることに感謝しなければならない。

 

 

結局、利用者さんは本の執筆の話なんて一つもせず、始終昔好きだった男の話をしていた。

妻子ある男だったそうだ。

勿論、私も既婚者を好きになったことはある。

だけど、私の場合は相手に奥さんがいるとかいないとか、関係なかった。

好きなものは好き。

既婚者だから遠慮するというような概念が無かった。

結婚していたくせに既婚者の気持ちがわからないの?と言われるかも知れないが、浮気される方が悪い。

たぶん元旦那には女はいなかったけれども、もしいたら私はとっとと「妻」の座を譲って逃げ出していただろう。

利用者さんは妻子ある男と大阪に逃げたそうだ。

いやいや、ロマンだねぇ。

羨ましいくらいだ。

 

 

そこで考えた。

現実的で理詰めな人間と、根拠もなく夢を見る人間のどちらが魅力的だろうか?

勿論、意見は千差万別だと思う。

ただ、私は後者の方が親しみやすく感じてしまう。

とはいえ、痛いことには変わりないかも知れない。

夢は見るものではなく叶えるものだと誰かが言っていた。

しかし、私は夢は見ることに価値があるような気がしてならない。

その瞬間だけでもときめき生き生きできるなら、見るだけでもいい気がしてならない。

それは結果にこだわる私は隅に置いての話だ。

利用者さんはきっと、これが生きる術なのである。

私は遥かに若いので、結果を残す。

でも根本にあるものは一緒だと思いたい。