nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

見てる人は見てる

皆既月食が見たかったけれども、外へ出て夜空に浮かぶ月を仰ぐ気力と体力がなかった。

珍しくコーヒーを飲みながらこれを書いている。

そうでもしないと睡魔に襲われて、書けそうにないからだ。

タンブラー一杯のコーヒーで最後まで書けるだろうか。

赤ワインをチビチビ飲むよりマシだろう。

よし、エンジンを吹かそう。

気合い入れなきゃ。

 

 

先日話した口の悪い先輩は、軽く問題になっているらしい。

この先輩を理由に辞めていく人が大勢いるそうだ。

そりゃそうだよな。

見てる人は見てる。

こんなことがあった。

 

「アナタ、可哀想。おっかない先輩に言われ放題で」

 

利用者さんからのお言葉だった。

 

「アナタ、可哀想?え?私のこと?」

 

そうだよ、と言ってくれた。

このお言葉にどれだけ救われたことか。

私が先輩達に怒鳴られている姿を黙ってじっと見てくれていたのだろう。

利用者さんは私の目をまじまじと見て、一言付け加えた。

 

「アナタ、本当に大変ね。意地悪な先輩で」

 

キターーーーーー!!!

もっと言ってくれ!

やはり私の考えすぎではなかったんだ!

私って傍から見ても可哀想なんだ。

だから利用者さんは私に優しいのかも知れない。

見てくれていたんだね。

ありがとうという言葉しか出てこない。

私は満面の笑みで、こう答えた。

 

「大丈夫ですよ、ありがとうございます!」

 

ここまで来ると、先輩はもっと利用者さんから嫌われるためにも皆がいる前で私に文句を言えばいい。

皆、黙って見ているからだ。

そして、それぞれの利用者さんに思うところがあるのだろう。

私に対して先輩達は言い過ぎていると見てくれている。

私が利用者さんに愚痴るとしたらこんなことくらいだ。

 

「あぁ~、お腹空いた!」

「朝、食べてこなかったんでしょう?」

「はい、昼ご飯を沢山食べたいから」

「今日はビビンバだわね」

「はい、楽しみですね!」

 

てな感じで盛り上がるわけだ。

 

 

見てる人は見てる。

私の知らないところで、このアカウントは多くの人に読まれているようだ。

中には、私のことが大好きなクセに捻くれているがあまり方向性を間違え、私から嫌われる人もいる。

仕方のないことかも知れない。

良くも悪くも、敵としか見なされない人もいる。

本当は、輪に入りたかっただけかも知れない。

しかし、私としては寝ぼけたフリしてあっけなく排除する。

それは、皆を守るためでもあり、自分を守るためでもある。

見てる人は見てる。

黙って陰でひっそりと読んでくれている人の中に、私のセンスや度量を買ってくれる人がいるかも知れない。

継続は力なりってそういうことなのでは?

どんなことがあっても橋岡蓮を貫く姿勢に共鳴し、声を掛けるタイミングを待っている可能性だってある。

向こうは私のことを知っているが、私は知らないというパターンも無きにしも非ず。

 

 

利用者さんが見てくれているとわかったことは、私にとって最大の励みとなった。

この利用者さんのことが私は大好きになった。

想像している以上に味方って多いかも知れないと思えた。

それだけで、私、頑張れそう!

利用者さんに好かれる存在であるならば、先輩にはどんだけ嫌われてもいい。

過去に誰かが言っていたよな。

蓮さんは利用者さんのためにリハビリセンターへ通っているわけで、先輩のために働いているのではないってね。

それを言われた時は、当たり前のことすぎてちょっとイラっとしたのを覚えている。

しかし、ここ最近になってその人の言葉を思い出した。

わかっていることを当たり前のように言われることは好まないが、ごもっともと言ってあげたくなった。

見てる人は見てる。

世の中はまだまだ歪んでいない。

ほとんどの人が黙っているだけなのだと思う。

だから私は負けまいとして、引き続き今を生きる。