結局、あっという間のめちゃくちゃいい旅だった。
人々との触れ合い、美味い飯、綺麗な海、穏やかな街。
長崎を発つ時、またもや号泣してしまった。
人前ではほぼ泣かない私だが、よく泣いたなぁ。
寂しかったからだ。
しかし、私の中ではドコモとの面談を控えていたので、多少気を張っていた。
帰りたくないとか言いながらも、帰らなければならない意識は失わなかった。
頭の中ではドコモで働いたらどうやって毎日新規契約を取ろうか、などと考えていた。
私って、何を目指しているのだろうか。
長崎では、人の温もりに触れ、人間らしい生活を知ったような気がする。
飛行機に乗って、長崎空港を離陸した瞬間、またもや涙が。
そんなに辛いなら移住すればいいのに。
そういう問題でもないのである。
『今』は、たぶん天が東京で暴れろと言っているのだ。
私の賞味期限はまだまだ切れてはいないとね。
ただし、いつかはバトンタッチの時が来る。
そうなった時、東京を離れてもいいのかも知れない。
今はまだダメ、と手厳しく言われているみたいだ。
孤高の戦士である私は、戦わなきゃならない。
何のために…。
誰のためでもない、天との対話の結果である。
天は私に試練ばかり与えているようで、そうでもない。
必ず、その先に救いを与えてくれる。
それを強く信じ、自分の強さを信じているから立ち向かえるのである。
そう、そんじゃそこらのヤツとはわけが違うと思っているから、特種な環境でも歓迎できる。
だから、私に限っては、負けるということはない。
挫けることもない。
運命を受け入れ、真っ向勝負できるからだ。
その大半を占めるのは、経験だと思う。
ありとあらゆる経験が、私を強くした。
そして、私に優しさをも与えてくれた。
何故なら、経験から大概のことは許せるからである。
それが人への寛大さに繋がっているような気がする。
今の私に必要なのは、次の目標。
それは仕事ではなく、息抜きの目標。
先日、次回はあるのだろうかと書いたが、また行こうと思った。
私にとって帰る場所は幾つあったっていい。
また来てね、次回は佐世保に行こう、などと言われると心が落ち着いた。
あぁ、また来てもいいんだと。
これからの激務、次なる目標がないと、やってられない。
枯れていく自分を見るのも嫌だ。
やはり、私は人から必要とされてなんぼ。
お客様から必要とされ、友達から必要とされ、読者から必要とされ、誰かにとってかけがえのない存在になれれば言うことなしなのだが。
友達などは、蓮さんが電撃移住するかも知れないなどと思っていたりしたみたいだ。
ただ、私のことを冷静な目で見ている人は、蓮さんは帰ってくるとわかっていたみたいだ。
そう、私は帰らなきゃという意識でいた。
人生の仕事がまだ終わってないからだ。
第二の人生は、まだまだ先の話かも知れない。
再び長崎へ行く時は、今回できなかったことや足りなかったことを色々したいと思う。
また、現地で普段できないことをしようと考えるのは無謀だとわかった。
結局、人懐っこい私はひたすら誰かと一緒にいて、執筆を全くしなかった。
やるべきことも何もしないまま帰ってきてしまった。
私には自分のやりたいことを片付けることより、人との触れ合いの方が格段に大切なことだと思えたのだ。
執筆は帰ったらやればいいけれど、ここにいる人とはここでしか話せないから。
あっという間すぎて、物足りない感覚に陥っている。
腹一杯なんてとんでもない。
まだまだ、もっともっとだ。
満たされたのではなく、欲求不満に晒され、むしろ飢えた状態になったかも知れない。
餓死することがないように、東京にも自分を満たしてくれるものを見つけたいが、これまた不器用なのが私なんだな。
仕事しか知らない女ではいたくないけどね。