nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

ただ夢を見ていた

焼肉屋へ行くのだが翌日仕事なのでアパホテルに泊ることにした。

アパホテルは会社の隣にある。

非常に便利で安い。

パソコンを持参して、ホテルでこれを書こうかと思ったのだが、パソコンが重たいので書いてから出掛けることにした。

これから翻訳の打ち合わせがあって、十六時に池袋駅で元女先輩と待ち合わせである。

秋服を見にZARAでも行きたいのだが、こないだ買ってしまったしなぁ。

コールセンターは服装が自由で何よりなんだが、同じ格好では行けないから、そこが不便でもあるのだ。

気にしなければいいのだが、同じフロアの隣の会社は女だらけで毎日がファッションショーのようなのだ。

しかも、私は密かに目立ちたがり屋なので、トレンドとかも意識してしまう。

もっとも、お洒落が好きなのかも知れない。

 

 

今まではお洒落を気にしなくてもいい職場だった。

いわゆるガテン系と云うものだ。

魚屋も工場もゴミ処理場も介護も、服装なんて洗い替えさえあればそれで良かった。

競艇場ドコモショップやパン屋では制服があった。

だから私服に金を掛けることが極めて少なかった。

 

 

それでしみじみと思い出しては考えさせられることがある。

私が離婚に至った経緯の一つとして、私が独立すると言い出したことにある。

元旦那は猛反対していた。

 

「蓮ちゃんには独立よりパン屋が似合う」

 

この言葉に私はブチ切れてしまったのだ。

元旦那曰く、パン屋で働く私は生き生きしていたのだとか。

今となってはそれもわからなくもない。

あの頃、なぜ私は独立したいと思っていたのか、今となっては謎である。

 

「いつも見ている俺が一番蓮ちゃんのことをわかっている」

 

いやいや、そんなことはない。

私のことなんて何も知らないくせに!!!

しかし、あれから月日が経って冷静になって考えてみれば、少しくらいはわかっていたのかもと思ったりもするわけだ。

 

 

恐らく元旦那はパン屋がどうのとかではなく、働く私を見ているのが幸せだったのかも知れない。

虐められたり、扱き使われながらも笑顔で接客している私のことが誇らしげだったのかも知れない。

当時はもっと稼ぎたかったわけでもない。

ただ、まだ夢を見ていただけだ。

出版とか、制作とか、販売とか、それらの可能性が残っていたわけだ。

ところが、実際には屋号を取り投資はしたけどコールセンターで海産物を売っている。

元旦那は昔の昭和気質の人間で、嫁が自分より働くことを良しとはしなかった。

ぶっちゃけ給料は安かったが、それでも私が稼ぎに出ることを嫌がった。

許されたのは近所のパン屋でのパートだけだったと云うわけだ。

 

 

新人賞が取れなかったことは、少なくとも私から夢を奪った。

今はまだ再婚したいと云う夢を抱いているが、こうして一人でいる間、前の結婚生活を反省することも必要だと思う。

世の中は金なんかじゃない。

だけどいざという時に稼げる力があるとないでは全然違う。

まぁ、私は夢が敗北に終わって良かったのかも知れない。

次に一緒になる人には、無謀な夢を押し付けたりしないと思うからだ。

ただ言いたいことは百ゼロで元旦那が悪かったなんてことはない。

元旦那もそれなりに私と上手く行く術を考えていたのだろう。

とは云うものの、別れたことは後悔していない。

私の夢なんてものは所詮おままごと。

一人で海外へ行ったって何もできやしない。

今こうして一人でいられるのは、会社という名の保護下にあるから。

夢は見ている時はいいかも知れないが、何がなんでも叶えようとした時には周囲を振り回すことになるのかも知れない。

理解がないとか嘆く前に、自分を愛してくれる人の気持ちも考えた方がいいかもね。