nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

終わりを見据えて

ノルマ達成し、五万七千円の売上を上げたが全然嬉しくない。

午前中は調子が良かったが、午後は全く伸びなかった。

周りも皆、売上を伸ばしていたし、私の影は薄かった。

件数を伸ばした割には一件単価が安く、これもまた大手を振って喜べない一因である。

ゴキブリは八万円売っていた。

ここまで来ると、ゴキブリは要注意人物だが、重要人物でもあるわけで。

世の中は理不尽だとぼやきまくって会社を出た。

 

 

あまりにも空腹だったので、会社の目の前の『磯丸水産』に入った。

生ビールが飲みたかっただけなのだが、せっかくなのでサーモン刺しと縞ホッケの開きを食べた。

それで癒すことはできただろうか?

できてないよなぁ。

生ビール一杯引っ掛けたところで酔うわけでもないし。

 

 

不思議なことに会社を出ると幾分リセットされる。

まぁ、お陰様でやることもあるし、これも書かなきゃならないし。

ゴキブリのことなんて考えている暇もない。

とはいえ、ノルマ達成した日くらい、軽やかな気持ちになりたいものだ。

何もかも気にせず、自分のことだけ考えていても、翌日にはゼロスタートだもんな。

浮かれてはいられない。

 

 

それにしてもさ『郷に入っては郷に従え』なんだよな。

それは今の会社で私も嘘を付いたりズルをしたりすると云うことではない。

正義感が強く真面目なんです、とも言ってられない。

先輩にこう言ってやった。

 

「女の武器が使えて嘘が巧かったら、ここでは働いていないよ」

「そりゃそうだ」

 

そうは言ったものの、私みたいなヤツは『郷に入っては郷に従え』なんてできない。

いつまで続くかわからないが、ここまで来ると、自分からいつかこの場を去るしかないのではないかとも思っている。

皆を変えることもできないし、正義感も真面目さなんて要らないのだ。

そんなことを想いながら仕事をしていたら疲労が倍増した。

かといって引き摺るタイプでもない。

ただ、これから先のことについて考えなければならないなと思っている。

もっと分かり易く言うならば、方向性だろうな。

どの地点まで進み、どの地点まで行けば納得するか。

この仕事に就いて半年が過ぎたが、終わりを見据えて働くのも悪くはないかも知れない。

社長や元ホストへの恩などと云うものは、もう半ばどうでも良くなってきている。

返そうとしてもいいように使われて終わるだけのような気もする。

ただ、疲労に押し潰されないのは、光のようなものを感じていられるからかも知れない。

その光を消さないために必要なことは、矛盾しているようだが、今の仕事で手を抜かないことだ。

数字を上げると云うことに慣れ、数字と云う意識を持ち、数字に強くなることだ。

逆に言えば、私に欠けていたものを補うために『天』が私に用意したのが今の会社なのだろう。

どこかで吹っ切れて、自分を磨くためだけに仕事ができれば最高なのだが。

 

 

とにかく何事にもソッポを向かないことだ。

『出口』は必ずあるのだから、そこに向かって突き進むのみである。

そう考えたら、営業が苦手だった私へ神が更なる飛躍のために与えた舞台そのものがコールセンターだ。

だとしたら、肯定も否定もない。

いわば、通り道だったと思えば楽じゃないか。

いやいや、始めたばかりの頃は一体何のためにこんなことやっているのかよくわからなかった。

あれ?

つまり、社長や元ホストのために働いていた私から、営業職の克服と云う自分のためになる働き方ができるようになったと云うことだ。

そうか、自分のために生きるってこう云うことか。

全ては、まだ見ぬ旦那様に捧げるためなのだが。