nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

悲しき運命

疲れすぎて近所の居酒屋に寄った。

私にはウーロン茶で刺身を食べる習慣がないので、仕方がないから飲みたくもない男梅サワーを頼んだ。

サーモンの刺身は抜群に美味かった。

秋刀魚の刺身がメニューにあったが量が多くて鮮度が悪いのを想定して頼まなかった。

電車の中ではあり得ないほどに疲れていたが、男梅サワーをチビチビと飲んでいると疲労感が和らいでいるような気がした。

とは言え、暑さが半端ではない。

やっぱり疲れ果てた。

帰って、たまには早く寝るかと考えている。

 

 

仕事はノルマ達成ならず。

この三連休はお客さんがシビアで、なかなか首を縦には振ってくれない。

そんな中、なんとか二件獲得した。

ただ、またもや単価が安かった。

それには理由がある。

金がないからと何度も断っているお客さんの心を掴むことができるからだ。

単価は安いが、首を縦に振ってもらったことは、本来なら評価されるべき。

しかし、数字の世界なので、全く評価されない。

まぁ、自己評価さえできていればいい。

それなのにどうしてこんなに疲れ果てたのだろうか。

毎日のように疲れているが、できることなら一週間くらい休んで一度この慢性疲労から解放されたいものだ。

休日を楽しみに生きている。

ただ、楽しいこともあった。

 

 

元ホストから誘われて、昼休みにラーメン屋へ行ってきた。

珍しく私を誘うなんてどうしたのだろう。

最近やたらと懐いてくる犬のようである。

タメ口ちゃんとは口をきいてない。

無視するつもりもないが、話しかける必要もなかろう。

流石に私が冷たいことにタメ口ちゃんは気づいたようだ。

向こうからも話しかけてこない。

無論、私も疲れているので気は遣いたくない。

昼休み、ラーメン屋で元ホストに訊いてみた。

 

「ウチの職場って皆で飲みに行ったりしませんね」

「二次会が面倒くさいから」

「一次会で帰ればいいじゃん」

「ついつい楽しくなるから」

 

そういう理由があるならわかる気がする。

さらに元ホストは続けた。

 

「終電とか、帰り道とか心配じゃんね」

 

おっと、それは私のことじゃないか!

なんだ、一応この人は優しさを持っているのではないか。

でもこう言っていた。

 

「蓮ちゃん居酒屋奢ってよ」

 

だから、いいよ、と言った。

どうせ行くことはないだろうと思ったからだ。

 

「幾らくらいあればいいかね?」

「三万円くらい」

「いいよ!」

 

どうせ行かないからだ。

なぜそう思うかって、私の帰り道の心配をしているなら誘ってくることはないと思うからだ。

勿論、奢ってというのも冗談であり、挨拶代わりなのである。

この程度のことでホロッとなるほど私はウブではないようだ。

だけど、女からモテモテの元ホストとラーメン屋へ行ったことがバレたら、女どもから妬まれるのかも知れない。

私はその辺の女達みたいにキャーキャー騒がないから信頼されているのだろう。

この会社で、この部署で、やはり私は姐御肌なんだろうな。

他の子を誘ったら騒ぎになるけど、安定の蓮さんみたいな。

 

 

ただ、ただの姐御でもないような気もしないでもない。

かといって、この会社に私を女として見る人はいないと思っている。

とはいうものの、あまりにも懐いてこられると放っておけなくなるからほどほどの距離感は保っておきたい。

私にはやるべきことが沢山あって、元ホストの借金など返している暇はないのである。

これぞまさに運命の分かれ道。

なんかさ、付き合ってもいないし告白されたわけでもないけど、悲しい別れが待っているような気がする。

それは私が会社を辞める時。

きっと悲しいのだろうな、そう思うのが本音かな。

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