nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

人生における場数

買った毛ガニが届いた。

それもまた大毛ガニ。

近所のホームセンターでクーラーボックスまで仕入れて会社から持ち帰ってきた。

ZOOM面談が終わったら、食べる気満々だったのだが溶けなかった。

泣く泣く翌日に持ち越すことになった。

ガッカリした気持ちでパソコンに向かってこれを書いている。

ZOOM面談が楽しすぎて時間は忘れていたものの、毛ガニのことだけは忘れていなかった。

毛ガニのために空腹に耐え、毛ガニのために夕飯を買わずに帰ってきたので食べるものがない。

こういう日はさっさと寝るに限るので、サクサク書いてしまおう。

 

 

ところで私って偉すぎると思うことがある。

最近タメ口ちゃんの様子がおかしいので、気に掛けてやることにした。

元ホストがタメ口ちゃんにこんなことを言ったのだ。

 

「蓮ちゃんの真似をして、交渉に強くなれ」

 

耳を疑ったが、元ホストは私のトークや交渉の早さを評価しているようだ。

というのも、私はダラダラ雑談したりするタイプではない。

要件をこちらのペースで伝え、お客さんにマイクを突き付ける。

すると、お客さんは『イエス』か『ノー』しか言えなくなる。

そこで『イエス』と言わせ、クロージングに持って行くのが早いのだとか。

一方、タメ口ちゃんは雑談は巧いのだが、交渉で勝ってクロージングに持って行くのが実に下手なのである。

ゆえに、長々と話してしまうところがある。

また、タメ口ちゃんはトーク中の『間』に耐えられないので、ひっきりなしに喋るクセがある。

自分の話を終えたら、お客さんの回答を待つ度胸がないのである。

それが私にはある。

なぜなら、沈黙を恐れていないからだ。

本当は私は元ホストとタメ口ちゃんにこう言いたかった。

 

「人生における場数の違いである」

 

そりゃそうだ。

場数が違うので、電話営業の経験は浅くても、私はお客さんにビビっていないのである。

ましてや、数々の場面で『交渉』に勝ってきたわけで。

いわゆる、押しの強さも持っている。

だからコンパクトに要点をまとめて伝え、判断を委ね、クロージングに持って行き、チャッチャと電話を切ることができる。

それはお客さんに隙を与えていないことになる。

だから、一度の勝負が短時間で終わるのである。

 

 

一方タメ口ちゃんは話が長いので、お客さんに考える隙を与えてしまっている。

結果的に質問攻めに合っているのである。

タメ口ちゃん本人は、その質問に全て答えているので、自分は天才だと思っていたわけだ。

それなのに、タメ口ちゃんにとっては格下だった私の方が評価が高いことがわかった。

へそを曲げるだけならまだいいのだが、よほどショックだったようで、仕方がないから私も姐御ぶって構ってやることにしたのである。

 

 

こういうことってどんな世界でも業界でも往々にしてある。

からしたら、褒められた時は少々驚いたが、よくよく考えたら場数が違うので当然のような気がした。

今まで四十三年間、どれだけ出る杭は打たれ、悔しい想いをし、傷つきながらも、トップに躍り出てきた。

もしかしたら、私はトップを狙えるのかも知れない。

勉強量ではないはずだ。

センスや経験は、もう場数が証明している。

では、私に足りないのは何だろうかと考えた。

結論から話すと、無いということだ。

自分のメンタルを強化するための努力は徹底的に行っている。

強いて言うならば、体調のコントロールくらいかも知れない。

暴飲暴食を捨て、睡眠時間を確保し、まるでスポーツ選手みたいな生活を送っているがまだ足りない。

社長曰く、楽しむことと、『取りに行かないこと』が重要だそうだ。

私流で言うならば、『私はやれる!』という確固たる自信こそ才能なのだ。

きっとトップに躍り出て、物足りなくなる日が来るだろう。

それまで私の戦う日々は続く。