土砂降りの中帰宅。
珍しく直帰したのには訳がある。
死ぬほど疲れていたのと、何となく家に帰りたかったからだ。
本当は元ホストとパチンコ屋へ行くはずだった。
私としたことが、それを無視して帰ってきたのだ。
どれだけ疲れていたんだか。
いや、それだけではない。
久々にノルマを達成した。
もしかしたら前の日によく寝たからかも知れないと思って、今夜もよく寝れば明日もノルマ達成できるかも知れない、という目論見だ。
でも元ホストとパチンコ屋へ行きたかった。
だから、明日行こうね、と言った。
私は自称『信頼の神』、好きな人に嘘を付くなんて言語両断。
絶対にあってはならないこと。
しかし、言わない優しさってのもあると学んだ。
もしかしたら、元ホストは自分のテリトリーに私を置いておきたいのかも知れない。
そんな素振りは見せないけれども、なんとなくそんな気がする。
それは百パーセント、私が仕向けたことかも知れない。
なぜなら、私は誰かのテリトリーになることを心から望んでいたから。
自立、独立自尊、そんなことはどうだっていいのさ。
見守られ、時には束縛されることすら喜びなのだ。
かといって、私を否定されるのはちと違う。
とはいえ、野放しにされるのもまた違う。
私の判断基準はこうだ。
私がいなくては生きて行けない人かどうか。
どんなに私が相手を好きでも、私を必要としていない人には興味を示さない。
その点、元ホストは私無しでは生きて行けないような気がしている。
だから、私も精一杯の少女性と母性で以て愛しようとしているのだ。
私無しでは生きて行けない人がもし他にいれば、また話は変わるのかも知れない。
でも、先ほど述べたように、私が全て仕向けたこと。
だから、私に責任がある。
そもそも、元ホストが私に勘違いさせたことから始まったのかも知れない。
その辺の真意はわからない。
今となってはどうだっていいことだ。
私がどうしたいか。
もっと言うならば、一生を添い遂げられる人なのか。
ここで悪魔が出現する。
もっともっと私無しでは生きられないようにしてしまえ。
その後どうするかは私が決めること。
好きになった男は踏み台にしてしまいたくなる少女性、はたまた、パジャマを買うだけで幸せになるような母性。
あぁ、虜になりたいのではなく、虜にさせたいと願う自分。
私はやはり、悪魔。
天使のように優しい悪魔。
可愛くて仕方がないから、ホイホイなんでも買ってあげる悪魔。
私はどう思われたっていいと器のデカさを見せつけている悪魔。
馬鹿にされようが、ナメられようが、どうってことはない。
ただ、思い知れと。
私を失った時、とてつもない喪失感に襲われるのだと私は知っている。
どんな時も傍にいたい。
そしてどんな時も傍にいて欲しい。
隣にいて笑っているだけで、幸せになれる。
もしかしたら、このまましばらく抱かれない方がいいのだろうか。
そんなこともよぎってしまった。
このまま仲の良い兄弟でいた方がいいのだろうか。
でもね、私にはわかる。
彼の中で、私はどんどん、どんどんとかけがえのない存在になっていることが。
私が想像している以上に、きっと私は大事に想われている。
神様、どうして私を試すのか。
それは神様が試せば試すほど、今は大事な局面なのだと私が知ることになるのだ。
右へ行くか、左へ行くか、いや、私はどちらにも行かない。
何もかも選ばなきゃならないなんて、残酷すぎる。
自分の意思?欲?希望?望み?
そんなものは要らない。
皆を傷つけない選択肢があるなら、それを私にください。
全てを放棄することもできない。
私の幸せをお預けにすることも違う気がするが。