nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

一切の迷いがない

入れ墨屋に来ている。

今、元ホストがブラックアウトしてもらっている。

ブラックアウトとは、過去の入れ墨を黒く塗り潰すこと。

十六歳の時入れた『死に神』を消すのだそうだ。

私は先程、『もち吉』の写真を彫り師さんに渡した。

横顔の方が絵的にはいいそうだ。

どこに彫るか迷っている。

自分で見れる場所に彫りたい気持ちが強いが、サイズ次第では背中に入れる。

いや〜、そうなると夏はタンクトップが着たいよなぁ〜。

まぁ、夏になったら考えよう。

 

 

 

この後は、元ホストと中華食堂に行く。

今後の仕事やバイトの話など盛り沢山である。

元ホストは給料で指輪を買ったそうだ。

私は美容室へ行くのが自分へのご褒美。

一万円のトリートメントを予約してある。

そんなことでもしないと、マジでストレスが溜まる。

春になったら春服が欲しいが、来月は入れ墨を入れるから服代まで余裕がないかも知れない。

ただ、四月は元ホストの誕生日がある。

ネックレスを買ってと言われている。

私も自分の誕生日にはネックレスをプレゼントしてもらうことになっている。

お揃いでもいいんだけど、私は金属アレルギーなので、同じものは身につけられないかも知れない。

しかし、その頃には元ホストもお揃いの蓮の花を彫っていることだろう。

ネックレスより嬉しいかも。

 

 

 

元ホストを待っていたら、真面目そうな女の子が入れ墨彫りに来た。

彼氏に彫れと言われたわけではなさそうだ。

人は何故、入れ墨を入れるのだろう。

私は単純に元ホストへの誓いである。

元ホストが蓮の花を入れるのは私への誓いだろう。

そしてもう一つは、社会への反抗と親との決別を意味している。

もう会うこともないかも知れないが。

ある意味彫り師が顔面に入れ墨を入れているのと同じかも知れない。

入れ墨を入れることで、仕事の幅は狭くなる。

それでも私は何とか生き延びることができる。

何故なら、元ホストがいるからだ。

歳が近いので、先に逝かれる心配はあまりしていない。

元ホストは一人では生きていけないタイプ。

だから、私の方が長生きしなくちゃならないことになる。

マジで付き合う前から夫婦みたい。

私達がラブラブなカップルになることはあるのだろうか。

 

 

 

そういえば、社長が元ホストを褒めていた。

教え方や指導の仕方を、元ホストは見事に変えたから。

つまり、優しく教えるようになった。

社長は自分のアドバイスのお陰だと思っているが、裏に私の存在があることを知らない。

私が元ホストに上から目線のスパルタをやめろと言ったお陰なのに。

それにしても、素直に言うことを聞くところもまた、元ホストのいいところであると知った。

嫌いになることなんてないと思う。

だから、入れ墨を入れても一切迷いがない。

 

 

 

さて、私の『もち吉』はこんな感じ。

わかりやすいように、写真をアップする。

来月が楽しみである。

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