nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

本当に大切な人

結局、社長に言うしかなくて、二十四歳鬱男子のことを報告した。

しかし、社長はやはり鬱男子に甘かった。

本人には何も言わなかったからだ。

正義感が強い私としては、せめて注意する姿を見せて欲しかった。

社長は私にはこう言っていた。

 


「アイツの勤務態度は周りに悪影響を及ぼしているから、このままじゃダメだ」と。

 


私は思い描いてしまった。

こういう鬱男子達が居心地良いからと残って、私や元ホストが辞めていく職場。

ぶっちゃけ、有能な人材が残らず、ダメ人間が残る。

その先は言うまでもないだろう。

社長は読みが甘いな。

 

 

 

元ホストは何かと色々話ができた。

親についてだ。

元ホスト曰く、蓮ちゃんの親は再び蓮ちゃんを騙すということだ。

もう騙されているかもなのに蓮ちゃんが気付いていないだけかもとか。

一度でも騙した親は何度でも子供を騙すと言う。

確かにそうだけど、私はお人好しだから今まで涙を呑んできた。

しかし、はっきり言って、この世で唯一恨んでるのが親である。

基本的人権の問題だ。

親は私を人間扱いしていない。

ただ、危険人物として警戒しているだけだ。

元ホストをパートナーとした時、元ホストはウチの親をタダではおかないのである。

虐待受けてた被害者であることを訴えてもいいのでは?と言っていた。

私から金を騙し取り、豪遊しているくらいだから。

 

 

 

思うに、守りに入る人間って醜いのかも知れない。

嘘に隠し事を重ね、本来なら信頼すべき人を裏切っているのかも知れない。

そう考えると、社長がそうだ。

真面目に少ない休みで青筋立ててるウチらってなんなん?

終いには、鬱男子に引越し代全額出すから会社の近くに引越ししろと言っているらしい。

だから、全額自腹で埼玉から引越してきた私はなんなん?

自慢ではないが、私は無遅刻無欠席無早退だ。

元ホストもそうだ。

もう、私と元ホストは先が長くないとは思う。

社長に幻滅し、失望しているからだ。

こうなるのは見え見えだ。

何故、社長は気付かないのだろうか。

可愛がる人材を間違えているのに。

 

 

 

とりあえず、私は二日に元ホストと入れ墨屋へ行く。

そして『もち吉』という愛犬の入れ墨の相談と打ち合わせをしてくる。

会社ではしれっと働いて、何ごともないようにする。

その次の休みは美容室へ行く。

その次の休みは病院、そしてその次は元ホストが泊まりに来る。

来月こそは数字を上げたい。

会社のためではなく、自分の生活と、元ホストとの将来のため。

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