月初からガッツリ数字を落としてしまった。
これを取り戻すのは至難の業。
しかし、六連勤が終わった。
数字は上がらなかったが、逆に覚醒している。
ただ、今日は社長との面談があった。
「橋岡はどんなことがあっても後退することなく、確実に一歩一歩前に進んでいる」
大抵の人は、手を抜いたり、一歩下がったりしながら仕事をしているんだとか。
私は不器用だから、手の抜き方を知らない。
確かに数字が上がらない日はあるけれど、社長的には何の心配もしていないそうだ。
私は社長にこのような話をした。
どんな人でも、その人のいいところを見てやらんとあかんという話だ。
一見お荷物のような人でも、その人にしかできないスペシャルを持っている。
「そうか、俺はいいところ探しができてなかったなぁ〜」
素直に認められると私も安心する。
そして更に、鬱男子くんを例に取って、説明してやった。
「人間自分にやましいことがあったり、危機感を感じていたりすると、自分より下を作ろうとするものです。だから、人の悪口を言い始める」
社長はこのことについてははてなマークだった。
しかし、私にはわかるのだ。
鬱男子くんのようなタイプが、自分を守ろうとして、他人を見下し始めるさまを。
余裕のある人間は人を蹴落とそうとしたりしない。
涼しい顔で辺りを見回しているものだ。
もっと言うならば、私にもっと余裕があれば、鬱男子くんに腹を立てることもない。
笑い飛ばして終わり。
ところが腹立てるのは、回り回れば、鬱男子くんの気持ちがわかるということになる。
社長はエリート営業マンだったから、その辺に疎い。
トップの元ホストにもわからないかも知れない。
社長曰く、俺とアイツは似たもの同士だそうだ。
だから対立するのかも。
意味深なことを社長は言っていた。
「俺や誰かのために仕事をするな。自分のためだけに仕事をしろ」
あ、バレてる!
そう思った。
私が元ホストのために働いていることがバレている。
私は先輩に言ったことがある。
私は自分のために仕事をしているわけではないと。
社長と元ホストへの恩返しで仕事をしていると。
それを、先輩は社長に言ったのだろう。
「誰かのために仕事をしていると、その人のことが嫌いになったら全てが終わるんよ」
その通りだ。
社長が危惧していることはわかる。
つまり、元ホストに着いて行って会社を去ることを、今から予感しているのだろう。
さてさて、二日の日は入れ墨屋。
思いっきり楽しんでくる。
入れ墨屋で待っている間に翌日の投稿は書けるだろう。