nakanakadekinai's diary

単なる日記でもなければ、単なるエッセイでもない

いいご身分

なんとかノルマを達成した。

98600円!

久々に数字が伸びた。

達成感ではなく、安堵に包まれている。

良かった、本当に一安心した。

私ってやつは、ノルマを達成しても喜ぶわけでもない。

むしろ脱力感のようなものでいっぱいだ。

先輩に飲みに誘われたが断って帰ってきた。

先輩は翌日休みだが、私は連勤中だし、元ホストは行かないと言ったからだ。

元ホストを置いて行くわけにはいかない。

丁重にお断りした。

帰ってきて洗濯をして、晩酌を終えてパソコンに向かっている。

奇跡の二十二時前。

明日のために、早く書いて寝なければならぬ。

数字が伸びた原因として、トークの仕方を変えた。

活きがいいお姉さんから、優しくて同情を買うようなお姉さんに変貌した。

それが見事に刺さって、件数をあげることができた。

そして、内容も自分なりにアレンジした。

少しばかり、手ごたえがあった。

自信ではなく、安心してトークできるようになった。

今後もこのことを忘れないように日々磨いていこうと思っている。

 

 

考えたら入れ墨の日がもう少しでやってくる。

どれだけ痛いのだろうかと考えるが、私は痛みには強いと思う。

ましてや元ホストが耐えられる痛みなんて、私が耐えられるに決まっている。

大概、男の方が痛みには弱いはずだ。

私としては紛れもなく、運命を変えるために入れ墨を入れる。

人に見せるためではないが、写真くらいアップしたいよなぁ。

ただ、流血している腕は見せられない。

入れ墨の後はご飯を食べに行くだろう。

ただ、元ホストは体調が優れないみたいで心配である。

かといって、入れ墨入れてバイバイということはないだろう。

 

 

私が件数を伸ばすと皆のテンションが上がる。

これは私が大事にされている証拠でもある。

たまたま社長もいて、とても嬉しそうにしていた。

社長は今月はタイへ旅行だ。

ゴルフのコンペらしい。

社長は毎月どこかへ旅行へ行く。

それを皆が『いいご身分』と言うのだ。

全く以てその通りだ。

社長は最近短時間でも会社に顔を出す。

もしかして心配の種は私か?

そうかも知れない。

社長は家でも私のトークを聴いて研究しているらしい。

こんなはずじゃない、もっと伸びるはずだと、私のことを考えてくれているのだ。

それなのに、私はやがて元ホストに着いて行って辞めることになる。

お馬鹿な私は心のどこかでまだ社長のことを信じているため、心苦しい気持ちもある。

しかし、元ホストが信用できない人だから、信用できないのだろう。

確かに教育者手当、責任者手当を渡さない社長は悪である。

元ホストが嫌気さしても仕方ないよな。

私からすると、小生意気な憎めない若僧でしかないのだが。

きっと、元ホストには私にもまだ言っていない社長に対する恨みでもあるのだろう。

つい最近社員になった私にわかるわけもない。

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