悔しすぎる!
だから、松屋でビールを飲んでいる。
これでドコモポイントを使い果たした。
めちゃくちゃ腹が減ったのに、ご飯は我慢した。
空きっ腹にビールは効くぜ。
あぁ、やけ食いしたい。
でも、ネギ温玉と肉のコラボは美味いぜ。
カウンターに太った男性が二名。
あぁなりたくなくて、私はご飯を抜いた。
肉体労働でもしていれば別だが、私は身体を動かさない営業マン。
やけ食いしなかったのは、やはり見た目が気になるお年頃だから。
というのも、私だけが赤字を出してしまった。
全員が黒字スタートの今月、私は見事に赤字。
元ホストが休みだったので、先輩と途中まで一緒に帰った。
「顧客管理が下手なんだよ」
確かに、私は『管理』とか『整理』とかそういったものが見事に下手くそである。
パソコンの中身もぐちゃぐちゃ。
金の管理もできてない。
健康管理もできない。
何か欠陥があるのだと思ってしまうほどだ。
いや、これは明らかにその能力に欠陥があるのだ。
そのくせ、たまにとんでもない数字を叩き出して日本一になったりする。
何なんだこの差は?!
ましてや、今日みたいに一人だけ赤字になるとか何なんだ?!
私らしいといえば私らしい。
いつまで経っても目が離せない子供のように、上がったと思えばドカンと下がる。
トボトボと松屋に来たというわけだ。
この松屋には、すこぶる仕事ができない爺さん店員がいる。
いつもオドオドしていて、ミスばかりする。
客を待たせて客からも怒られる。
従業員からも怒られる。
でも一生懸命やっている。
それなのにミスばかりする。
たまに、私だったらもう少しはまともに仕事ができるだろうなどと考える。
行き場のない爺さんは、やがて松屋をクビになるかも知れん。
そう考えると、私は今の会社を大事にしようなどと思うのである。
正月は月末は会社の飲み会で、一月二日は社員だけ集まって、社長の家で飲むことになっている。
私は調子こいて、
『本マグロが食べたいです!』
などと言った。
『おう!』
などと言っていた。
赤字女が調子こくな!と思っていることだろう。
嫌や〜、赤字!
マジで嫌や〜!
赤字のヤツは喋るな、息をするな、笑うな、って雰囲気!
マジで嫌や〜!
これを脱出するには毎日八万円以上を売り上げなければならない。
元ホストに伝えたら、気にするなと言っていたけど、毎日八万円以上はかなりキツい。
むしゃくしゃするから、近くのスーパーの日用品売り場でタイツとトリートメントを買ってやった。
翌朝、トリートメントする時間あるかなぁ〜。
こんな私だが、社長の家で社員だけが集まって飲むのは楽しみなのだ。
仕事の話をするんだろうか。
それとも暴露大会みたいになるんだろうか。
社長は嫁と、トイプードルと暮らしている。
池袋のマンションだ。
きっと社長の家に泊まりになるだろう。
社長のトイプードルは、元ホストにだけ心を開いているとのこと。
ちょっと笑える話だが。
そんな元ホストは今頃誰かと飲んでいることだろう。
二連休だからだ。
私は明日、どんな顔して会社へ行こうか。
トリートメントしたいから、早く起きなきゃな。
誰もが核心をついた時にしか、格言は出てこないようだ。
最近の私は、不安とプレッシャーとの闘い。
女ってこうあるべき、人間ってこうあるべき、などのことが出てこない。
ただ、アップダウンがあるからこそ、人間臭くて皆から親しまれるのは間違いないようだ。
蓮さんは『ある意味』心強いと。
ある意味とは、時にビリになるからだ。
周りからしたらビリが怖くなくなるだろうに。
さて、寝るかな。