惨敗!
三件の再販獲得をして、一日を終えた。
仕事終わり、先輩と二人で缶ビールで乾杯しながら反省会をした。
池袋駅周辺の駐車場だ。
再販獲得に向けてのアドバイス等をもらった。
元ホストは休み。
一昨日、元ホストとLINEをしていたら電話が鳴った。
私が意味不明なことを言っていたようだ。
「私が欲しいのは『納得』で、それが手に入らないから人生に疲れている」
私はそのように伝えた。
それが元ホストにプレッシャーを与えたようだ。
いきなり電話が鳴った。
「独立したら蓮ちゃんの家に住もうと思っている」
それが答えだと言う。
私は登山は頂上が見えないと登れないと言った。
そしたら元ホストは、一緒に暮らすのが頂上だと言った。
そのために、お互いに力を合わせて頑張ろうという話。
とにかく海産物販売の仕事をマスターして欲しいということ。
それはわかった。
独立するまで私達は付き合わないの?
率直に訊いた。
「そういう訳じゃないけど、俺は時間のかかる男。蓮ちゃんは決断の早い女」
「そうだね」
つまり、まだ先になるって話。
まぁ、一番気にしているのは会社にバレることみたいだ。
私はポカンとしていた。
だって、バレてもいいじゃんと思っているから。
ただ、バレると私を引き抜きにくくなるとは思う。
元ホストは色々策略を練っているのだろう。
黙って着いて行くのがベストだと思った。
「蓮ちゃん、納得ってどういうこと?言ってみ?」
「私の人生はこの人と出会うためにあったんだという納得」
それを言ったら、元ホストは大人しくなった。
それが私にとっての幸せだと言った。
その後、雑談をして電話を切って寝た。
しかし深い眠りにつけず、一時間おきに起きた。
もしかしたら付き合いたい欲望は、女の方が勝っているのかも知れない。
男は意外と、一緒にいれば満足なのかも知れない。
ただ、元ホストみたいな寂しがり屋さんは、一旦付き合うと、べったりになることだろう。
それくらいの予想はつく。
私のペナルティは今日だったと先輩は言う。
数字を上げないとならない日に上げられなかったと。
だから説教部屋に連れて行かれたのである。
しんどいの一言に尽きる。
この五連勤で何とか持ち堪えなければ、私の未来は暗い。
私にできることといえば、早く寝て、英気を養うことくらいか。