病院へ行って買い物をして帰ってきたら十六時を過ぎていた。
夜、荷物が届くので寝ていられない。
仕方ないからあと数時間の間、部屋の掃除や片付けをして起きている。
医師との話では、この疲労感は堪えるしかないとのこと。
試す術はあるのだが、副作用で精神的に不安定になってしまうそうだ。
せっかく安定しているのだから、そこを崩してはいけないと。
疲労に効く薬を飲んでみたこともあるが、咳や痰が酷くて服薬をやめた。
一応コールセンターで働いているから、そのような副作用はいただけないのだ。
帰り道、居酒屋で寒ぶりの刺身を食べた。
でも瓶ビール一本しか飲まなかった。
やはり、疲れていたからだ。
「お姉さん、髪の毛綺麗なロングで羨ましいわ」
待合室で隣に座っていたおばさんから声を掛けられた。
こう見えて、私は女の人から見て親しみやすいのだろう。
その一言から始まって、延々と一時間喋り倒していた。
私は嫌がることなく、うん、うん、と聞いていた。
結局、一時間半も待たされて、診察を受けた。
「風邪ひかないでね」
先生はそう言っていた。
風邪を引くと悪化するらしいので、気をつけろという意味だと思う。
私は風邪は滅多に引かないし、インフルエンザやコロナにも罹ったことがない。
丈夫な体ではある。
帰ってきて、トイレや風呂を掃除して、部屋を片付けた。
元ホストが一応泊まりに来る予定だからだ。
十八日の夜。
十九日はお互いに予定がなくなった。
バイトもまだ体制が整っていないみたいで、暇だ。
もし、泊まりに来てくれたら翌日はゆっくりできるかも知れない。
ただ、あまり期待はしていない。
急用で来れなくなるかも知れないから。
来てくれたらいいな、程度に思っている。
いつからか、私は人に期待しなくなった。
冷めているわけではない。
信用していないわけでもない。
ただ、過度な期待は見苦しいと思うようになった。
昔は会いに来て欲しくて、それを思いっきりぶつけていた。
でも、私が最優先とは限らない。
それなのに、何故会いに来てくれないのかと問い詰めたりしていた。
期待は重い。
ところが、泊まりに来てくれたらいいなと思いながら部屋の掃除はする。
それは期待とは違い、マナー。
てか、私はやはり元ホストに対して甘すぎるだろうか。
会いに来れなくなっても許すとか、可愛くないかも。
たまには、なんでぇ〜!って怒ってみようか。