予定通り新人研修を行った。
調子乗り子で、手を焼いた。
何に手を焼いたかって、自信満々な態度だ。
そんな態度は皆から絶賛されていた。
根性がある!あの子は辞めない!などだ。
初日から、できる子アピールをされた私の方が、ちょっと引いた。
私はこう見えて、そう簡単には人を信用しない。
今まで散々裏切られてきたし、親も信用できないからだ。
しかし、そんな中で、元ホストのことは信じようと決めた。
だから今に至るのである。
そんな私が今日入った子を今日信じるわけがない。
まぁ、私はいずれ辞めるし、女リーダーになってくれればいいんじゃね?
のレベル。
調子乗りすぎて、私はイライラしたくらい。
元ホストが自己紹介の時、俺は見た目と違って優しいよ、と言った。
それに対して調子乗り子は、自分で言う?と言った。
あ、コイツは優しくしすぎてはならないと思った。
新人研修、新人教育と、ノルマと闘うのは至難の業。
時間が足りなかった。
明日もまた別の新人研修、新人教育。
私がノルマと闘う時間がない。
ノルマを下げてくれればいいのに。
時間だけが過ぎてゆく。
あっという間に今日が終わった。
外は土砂降り。
私はどこへも寄らず、スーパーでいつも通りに刺身を買って帰宅。
レモンサワーを飲んでいる。
元ホストは明日休み。
前はよく、寂しいなどとほざいていた。
最近ではそのようなことが全くない。
強い絆で結ばれているからだ。
ただ、私は心配している。
元ホストの周りの人間のことだ。
私は微塵も信用できないのだ。
蓮ちゃん、俺、裏切られた!
そう元ホストが言ってくるのが目に見えるようだ。
元ホストは、疑い深いくせに、人がいいから。
金が絡んだら、皆が敵になる。
元ホストの隣に残るのは私だけのような気がしてならない。
でも、それは、元ホストには言えない。
元ホストは皆のことをまだ信じているからだ。
私はそっと見守るよ。
たぶん、元ホストが皆に貸した金など返ってはこない。
私にはなんとなくそれがわかる。
大丈夫、私がいる。
そう思うのみかな。